東芝が米ウェスチングハウスの過半数の売却を模索、海外原子力事業からの撤退を目指す ——軸足は社会インフラ事業へ

米国の原子力発電事業で巨額の損失を抱える東芝は、米ウェスチングハウスの株式の過半数を売却するなどして海外原発事業からの撤退を目指す。半導体メモリー事業を分社化して、新会社の株式の売却をも進める東芝は今後、エレベーターや水処理などの社会インフラ事業と、火力発電などのエネルギー事業に軸足を置く方針だ。

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2017年2月の記者会見で話す綱川・東芝社長

中西亮介

東芝は3月14日、決算発表の再度延期を行い、綱川智社長が記者会見で陳謝。東京証券取引所は同日、3月15日から東芝の株式を監理銘柄(審査中)に指定すると発表した。 14日の午後に開示した「今後の東芝の姿について」と題する再建方針の中で、東芝は米原子力事業子会社ウェスチングハウスの株式の過半数の売却を検討すると強調。一方、連邦破産法11条(CHAPTER 11)の適用申請も選択肢の1つとする見方もある。NHKなどによると綱川社長は、「いろいろな選択肢はあるが、現時点で決まったことはない」と述べたという。

東芝は昨年9月に「内部管理体制確認書」を取引所に提出したが、取引所は12月、東芝株を「特設注意市場銘柄」の指定を継続。特設注意市場銘柄の指定から3月15日で1年6カ月が経過するため、東芝は再度、管理体制確認書を提出しなければならない。同社の内部管理体制に改善がなされなかったと判断された場合、上場廃止が決定されるため、監理銘柄(審査中)に指定される。

東芝は2月14日に決算の適時開示を予定していたが、監査法人によるレビュー手続きが終わっていないとして発表を延期した。代わりに、第3四半期および通期の業績を東芝独自の見通しとして発表。4月〜12月期の純損益は4999億円の赤字、原発関連損失は営業損益ベースで7125億円としていた。

東芝が示した再生へのロードマップでは、半導体メモリー事業とウェスチングハウスを除いた2019年度の売上高は4兆2000億円、営業利益を2100億円とした。17年度中に財務基盤の回復を確実にし、18年度までに収益基盤の強化を行うとする再建方針を示した。

東芝の終値は、前日比1円高の215.9円。

*この記事は東芝の発表内容を追加し、更新しました。

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