ホワイトハウス、テレビ放送に先回りして大統領の納税申告書を公表

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トランプ大統領と妻のメラニア氏は2005年に連邦所得税として3800万ドル(約43億6000万円)以上を支払っており、そのほとんどがトランプ氏が撤廃を提案している代替ミニマム税(AMT)だった。

John Moore/Getty Images

ホワイトハウスは14日火曜日夜(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領の2005年の納税申告書についての情報を公表した。

これはアメリカのテレビ局MSNBCの番組「Rachel Maddow’s show(レイチェル・マドウ・ショー)」の司会者が同日、トランプ大統領の納税申告書の一部を取得したとTwitterで「速報」した後のことだった。

司会者のマドウ氏は「速報:トランプ氏の納税報告書を入手」とツイート。米ニュースサイト「Daily Beast」のデイビッド・ケイ・ジョンストン(David Cay Johnston)記者はそれに続いて、納税申告書の内容を夜9時の番組で明らかにするとツイートした。

ジョンストン氏によれば、入手した文書はトランプ氏の2005年の連邦所得税申告書の最初の2ページだという。公開された申告書によると、トランプ大統領と妻のメラニア氏は2005年に連邦所得税として3800万ドル(約43億6000万円)以上を支払っており、そのほとんどがトランプ氏が撤廃を提案している代替ミニマム税(AMT)だった。

ホワイトハウスはマドウ氏のツイートを受け、トランプ大統領が2005年に1億5000万ドルの所得に対して3800万ドルの税金を納めたとBusiness Insiderに語り、テレビ放送に先回りして、事実を公開した。

「10年以上前の所得申告書2ページの内容を公表するために法律を犯すことも厭わないというのは、自分たちがいかに視聴率稼ぎに必死になっているかを示している」

歴代の大統領が数十年にわたって、自主的に納税記録を公表してきたのに対し、トランプ大統領はこれまで、自身の完全な納税情報を公表していない。2016年の大統領選では、トランプ大統領は監査を理由に納税記録を公表できないとしていた。

トランプ氏は監査終了を待って大統領選後に納税記録を公表するとしてきたが、トランプ氏の選挙対策本部長で後に大統領補佐官になったケリーアン・コンウェイ氏は1月、納税報告書の公開を否定した。

トランプ大統領は、有権者は納税記録から何も得るものがないと度々主張し、公開を求める声に耳を貸さなかった。2012年の共和党大統領候補ミット・ロムニー氏や2016年の民主党大統領候補ヒラリー・クリントン氏は、トランプ氏の納税記録には隠された「爆弾」があるかもしれないと批判してきた。

ホワイトハウスの声明全文:

10年以上前の所得申告書2ページの内容を公表するために法律を犯すことも厭わないというのは、自分たちがいかに視聴率稼ぎに必死になっているかを示すものだ。

大統領に選出される前、トランプ大統領は世界で最も成功した実業家の1人であり、法的に求められる以上の税金を払わないことで会社と家族、従業員への責任を果たしてきた。そうは言っても、トランプ大統領は1億5000万ドル以上の収入に対して多額の減価償却を考慮した後でさえ3800万ドルを納税していた。そのほかにも売上税や物品税、雇用税など数千万ドルの税金を納めており、違法に公表された納税記録はそれを証明した。

相当程度の収入があり納税しているにもかかわらず、納税申告書が違法に盗まれ、公開された。大統領がアメリカ国民にとって有益となる税制改革を含む職務に専念しているのに、不誠実なメディアは違法行為を続ける可能性がある。 

[原文:Trump releases some 2005 tax info ahead of Rachel Maddow report

(翻訳:須藤和俊)

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