予想をはるかに上回る約1万8000人が「BART Perks」と名づけられたこのプログラムに参加した。
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昨年8月、地下鉄の暑苦しい混雑を緩和するため、サンフランシスコはラッシュを避けて通勤する乗客に現金を支給するアメリカ初の優遇策を導入した。
「ボーナスアワー」と名づけれたラッシュ時の前後の数時間に地下鉄を利用した乗客には、乗車した距離に対してポイントが付与された。また、ボーナスアワーを利用した頻度によって、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの資格が与えられた。ポイントは1000ポイントで1ドル(約114円)に交換できた。
「BART Perks」と名づけられたこのプログラムの6カ月間の実験期間が終わり、明らかになった成果と問題点をThe Atlantic CityLabが報じた。
(編集部注:BARTは、Bay Area Rapid Transitの略称)
良いニュースとしては、当局の予想をはるかに上回る約1万8000人がプログラムに参加したことだ。
一方で良くなかったこととして、通勤ラッシュ時の利用者のうち、乗車時間を変えたのは平均してわずか250人にとどまった。サンフランシスコでは、朝7時30分〜8時30分が通勤ラッシュのピークで、BARTは満員電車と化すが、この時間帯に電車通勤をしていたプログラム参加者2600人のうち、わずか10%しか通勤時間を変更しなかった。
参加者は多く集まったものの、当初の狙い通りにはプログラムは活用されなかった。
BARTの発表によると、昨年8月から今年の2月まで行われたこの実験は、経済学の「ナッジ理論」に基づいている。ナッジ理論とは「ちょっとした工夫で、人々に望ましい選択を促す」ものだ。
仕組みを完全に理解するには、4ページにもおよぶ「よくある質問」に目を通す必要があった。
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だが、このプログラムはかなり複雑だったため、参加者が興味を失った可能性がある。仕組みを完全に理解するには、4ページにもおよぶ「よくある質問」に目を通す必要があった。その割には、見返りは微々たるものだった。乗客が得たポイントは、毎月平均たった3ドル程度だったという。
BARTはまだ実験の内容を分析中で、結果は次の施策の検討に使用される。BARTは発表の中で、ラッシュ時の乗客にターゲットを絞り、混雑を解消したいと述べた。
[原文:San Francisco's subway is so packed it paid people to not commute at rush hour]
(翻訳:Wizr)