Nintendo Switchを手に入れてからまだ数週間しか経っていないけど、すっかりハマっている。「僕基準」では2017年で最高の新テクノロジーだし、歴代の任天堂ゲーム機の中で最高のものだ。
もちろん文句のつけどころが全くないわけじゃない。でもこの普通じゃないゲーム機は僕の生活を変えたし、僕と婚約者の距離を縮めてもくれた。ちなみに彼女はそれまでゲーム機にハマったことなんてなかった。僕は、この小さなシステムには途方もない可能性が秘められていると思っている。
この記事では、僕が感じたことをそのまま書いてみる。
3月3日、僕は仕事帰りに、ベスト・バイ(Best Buy)でNintendo Switchを手に入れた。もちろん「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」と一緒に。
この写真から僕の状況を想像してみてほしい。この女性と違って、店頭ではなくベストバイの受け取り窓口で、彼女みたいに誇らしく見せるわけではなく、人目につかないよう急いでバッグにパッケージを詰め込んだ。
Reuters/Toru Hanai
Nintendo Switchが発表された夜、すぐに僕は予約を入れた。僕は長年の任天堂ファンだし、任天堂が秘密裏に開発していると噂されていた「NX」の動向を何年も追っていた。期待はずれに終わったWii U(もちろん僕は買ったけど、1年後に返品した)のような間違いを、任天堂が今度こそは正してくれると信じていた。
Nintendo Switchを持ち帰った最初の夜、僕はいそいそとセットアップした。婚約者は最初それを見ても、大した反応を見せなかった。彼女は僕ほどゲームをプレイすることはなかったし、Nintendo Switchについて事前に知っていることはなにもなかった。でもスイッチを入れると状況は一変した。
Dave Smith/Business Insider
カスタマイズ可能なアバターを設定できることが、彼女を変えた。
Nintendo Switchは操作体験が全てユーザーフレンドリーだ。彼女は僕らがそれぞれに個別のアカウントを設定できることを喜んだ。彼女は、彼女のアカウントのアバターをキャラクターの種類や背景色など、彼女好みにカスタマイズした。これで僕らはそれぞれが自分のペースでゲームを楽しむことができるわけだ。
Dave Smith/Business Insider
実際のところ、彼女は同じプロファイルを共有したかったようだけど、僕としては僕だけの冒険を「ゼルダ」でしたかった。彼女はそんな僕のわがままを聞いてくれた。
ユーザープロファイルの設定を終えると、僕は彼女にコントローラーをわたして、彼女に先にゼルダをプレイしてもらった。
Nintendo
それは僕なりの、もっとも純粋な愛の伝え方だった。
これまでも彼女をビデオゲームに誘ってきた。特に「Destiny」「人喰いの大鷲トリコ」のような複雑な操作が必要な3Dゲームを。でも彼女が初めて受け入れてくれたのはゼルダだった。彼女は最初の夜からゼルダを完全に楽しみ、以来それは止まらない。彼女は僕と同様にハマってしまった。
Dave Smith/Business Insider
僕の婚約者が「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイしているところ。
最高なのは、彼女が僕と全く異なるやり方でゲームを楽しんでいること。「ブレス オブ ザ ワイルド」の最初のエリアを抜けて広大なワールドを探検できるようになった時、僕は東に進み、彼女は西に進んだ。この美しく素晴らしいワールドの異なった領域を僕らは探検し、そのうえお互いの体験やティップスを共有するようになった。
Nintendo
僕らはゲームを進めるつれて、お互いに助け合うようになった。僕はみじめなほど神殿を見つけるのが苦手なのだけど、彼女はどういうわけかどこに行けばいいのかを正確に知っていて、僕を助けてくれる。逆に、彼女はモンスターと戦うよりはパズルを解くのが得意だから、強い敵と出会ったときは僕が助けてあげる。要はチームワークってこと。
僕らがNintendo Switchが好きな理由はゼルダだけじゃない。この新しいハードウェアの使い勝手も素晴らしい。
Nintendo/YouTube
彼女が「ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイするときは常にTVを使う。でもプレイ中にリビングのソファで彼女が寝てしまったら、僕はドックからスイッチを取り外してヘッドフォンをし、彼女の隣で静かにゲームをプレイする。
Nintendo
ポータブルモードでプレイする時であっても、クオリティは変わらない。ある意味ではゲームのパフォーマンスはさらに良好で、より親密な体験だと感じられる。
Nintendo Switchが来た最初の週末、彼女と僕は映画もテレビも見なかった。テレビの前のソファに座っている間、ずっとゼルダをプレイしていた。
Nintendo
その状況はここ最近も変わっていない。
彼女がNintendo Switchにハマったこと自体が、任天堂に対する究極の褒め言葉だ。いつもならゲームをプレイしない人だからというだけではなく、彼女は「自分が好きだから」という理由だけで、やたらと人にものを勧める人じゃないからだ。たとえばNintendo Switchが発売される前、僕の誕生日に2人で「Get Out」という素晴らしい映画を見に行った。僕らは素敵な時間を過ごしたけど、この映画を友人に勧めるかと聞いたとき彼女は「そうでもない」と答えた。
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彼女のロジックはこうだ。映画は楽しかったけど、チケット代に見合う価値があるか、あるいは今すぐ見るべきなのか、確信が持てない。しばらく経って動画ストリーミングサービスで見ても良かったかもと。(僕自身はその意見に賛成しないけど、彼女の意見は尊重する。)
Nintendo Switchについて同じように意見を求めた時の彼女の答えはこうだった。「何があっても手に入れるべきだね」
Reuters/Toru Hanai
そこでちょっと反論してみたんだ。「本当に誰もがNintendo Switchを買うべきだと思う? 今、買う価値のあるゲームはゼルダしかないのに? もっとゲームが出てくるまでか、値段が下がるまで待つとかしなくていいの?」
Nintendo
彼女の答えは「全員今すぐ買うべき」
Reuters/Toru Hanai
彼女がここまで真剣にNintendo Switchを勧める状況は、僕にとっては考えられないことだった。彼女がここまで何かを熱心に推薦することも、ゲーマーであったこともないから。対応するゲームがまだ少ないことや、Netflixのようなサービスに対応していないなどの欠点があるにもかかわらず、彼女は誰もが「すぐに買うべき」だと思っている。
Reuters/Toru Hanai
僕と逆に、彼女は「Proコントローラー」より、伝統的な「Joy-Con」が好きだ。彼女はいつももっとゼルダをプレイしたいと言っている。知り合って長いけど、彼女がここまでビデオゲームをプレイしたがるなんて僕にとっては、啓示的な出来事だ。
僕がなぜNintendo Switchの大ファンなのかがわかってもらえたと思う。ゼルダは誰もが時間を忘れて楽しめるゲームだし、それだけでもNintendo Switchを手に入れる理由としては十分だ。リビングルームに置くゲーム機としても、携帯ゲーム機としても、Nintendo Switchはとても出来のいいハードウェアだ。
YouTube/Nintendo
ここまで書いてきたように、Nintendo Switchは僕と彼女の距離をさらに近づけてくれた。僕らはゼルダをしばらくの間プレイするだろう。でも「マリオカート8」も楽しみにしている。Wii Uではプレイしなかったのに。
僕は任天堂が気を配った小さなこと、例えば起動の速さや直感的なインターフェイスに驚いた。これは、あえて言うけどアップル製品のようにうまく動く、スマートなハードウェアだと思う。ゲーム機は「こうあるべき」という感じで動作するし、それは魔法のような体験だ。
Reuters/Kim Kyung Hoon
僕はこれはまだほんの始まりだと感じている。
Nintendo Switchの将来には希望が持てる。信じられないような新ゲームやオンラインサービスが登場するだろう。今、この現在の状況でも、僕がこれまでしてきた買い物の中でも最高のものであることは間違いない。
前述のとおり「完全なもの」とは思っていない。コントローラーにヘッドフォンジャックがないこととか、貧弱なキックスタンドと底に開けられたUSBポートのせいでテーブルモードで使う気にならないとか。でも数年後にはゲームボーイアドバンスやニンテンドーDSと同じように、任天堂は新しく改善されたハードウェアをリリースするだろう。
僕は任天堂が予定しているオンラインサービスにも期待している。ゲーム関連ブログ「コタク(Kotaku)」のジェイソン・シュライアーが提案しているように、そこで昔の任天堂のゲームを、Netflixみたいに自由に借りられたらいいなと思っている。もしそれが実現しなかったとしても、Nintendo Switchは最高だ。
僕個人のこれまでの体験で言えば、Nintendo Switchは素晴らしい体験をこの先何年も提供してくれる価値のある投資だと思う。店頭で見つけられたらの話だけど。
source:Nintendo、Nintendo/YouTube、Universal
(敬称略)
[原文:The $300 Nintendo Switch has been great for my relationship]
(翻訳:太田禎一)