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会社をクビになった瞬間は、絶望で前が見えなくなるかもしれない。
わたしたちはたいていリストラの予兆に気づかないし、また「わたしに限ってそんなことは起こるまい」と考えがちだ。
「解雇されるということは、誰にとっても自尊心を傷つけられること」と、職場環境の専門家であり、『Tame Your Terrible Office Tyrant: How to Manage Childish Boss Behavior and Thrive in Your Job 』の著者であるリン・テイラー(Lynn Taylor)氏はBusiness Insiderにそう語った。
同氏によると、最初のショックが過ぎ去ったあと、パニックになったり、鬱気味になったり、怒りを覚えるなど気持ちの変化が起こることは自然なことだ。
『Chief of Staff: The Strategic Partner Who Will Revolutionize Your Organization』の著者であるタイラー・パリス(Tyler Parris)氏は以下のように述べた。
「解雇されたあと、重要なことは、再起することに集中し、自分を磨きあげ、今、自分がどこにいるのかを理解することです。あとは復活して、ベストを尽くすだけ」
万一、あなたが落胆する状況に陥った時は、以下に述べることを行って、気持ちを落ち着け、再就職へ臨むといい。
深呼吸をする
「解雇の通知のあとはパニックに陥りやすくなります。しかし、パニックを起こしてしまうと、反射的な行動をしてしまい、あとで後悔することになるかもしれない」と、テイラー氏は語る。
「元同僚や元上司などといい関係を保っておくことが重要。そうすれば彼らに電話をし、人脈作りや仕事の紹介を助けてもらえる」
The Execu|Search Group のCEOエドワード・フライシュマン(Edward Fleischman)氏はそう述べた。頭に血が上る状況であっても、落ち着ついて、後悔するようなことを言わないようにすることが重要だ。
テイラー氏は静かで邪魔の入らない空間を見つけ、リラックスして考えをまとめることを勧める。深呼吸や、短い瞑想、もしくは早足の散歩などで身体的に感情を落ち着かせよう。
個人的な問題だと思わない
解雇はあなたの責任ではない可能性が高いことを忘れないでおくことだ。
テイラー氏は以下のように述べた。
「希望を見出すことは難しいかもしれないが、リストラなどの大量解雇はあなただけを対象にしたものではないと覚えておけば、気持ちが少し楽になる。理由は、あなたの力の及ばないところにある。逆境に囚われるよりも、どのように逆境を乗り越えていくかが重要だ」
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書類などにすぐサインしない
もし、解雇通知にサインするよう頼まれたら、一旦家に持ち帰り、署名する前にじっくりと読み込むといい。通知を受け取ったことに同意するだけかもしれないし、一定期間会社を訴えたり、競合に就職しないことを誓約させるものかもしれない。
人事と詳細を話す
コンサルタント会社のVaco Memphisで管理職人事採用を担うシェーン・デイビス(Shane Davis)氏は「解雇手当は貰えるのか」「再就職斡旋支援はあるか」「社会保障はどうなるのか」などの補足的な質問をすることを勧める。
パソコンの重要な情報を保管する
まだ、パソコンへのログインが可能なら、少し時間を取って重要な連絡先や個人的なファイル、業務実績など、就職活動の役に立ちそうなものを集めて保管しておくといいだろう。
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推薦をお願いする
もし引き続き会社に残る上司や同僚といい関係が築けているのであれば、次の仕事へ応募する際、彼らに推薦を依頼することも可能だ。彼らのプライベートの電話番号を知らないのであれば、今こそ聞くべきだ。
後悔することを言わない
キャリアの専門家であり、『Cut the Crap, Get a Job!』の著者であるダナ・マンシアグリ(Dana Manciagli)氏はBusiness Insiderに以下のように語った。
「退職者の中には辞める際に、下らないことを言って出て行く人もいる。思っていることをぶちまけるのは当然だと思っている人もいるが、特に失業した人たちの言うことは悲惨だ。ただ感情的になったり、長年の恨みを溜め込んで悪態をついたりする人たちもいる」
橋を燃やしてしまっては、もう渡ることはできない。発言はプロフェッショナルに徹して、最良の状態を残せるよう努力すべきだろう。
信頼できる家族や友達に連絡する
「黙って1人で悲しむ必要はない。そんな時は親身になってくれる家族や友達、もしくは近しいメンターに連絡すれば心が少し安らぐ」とテイラー氏は述べた。
HR専門家のローラ・マクレッド(Laura MacLeod )氏は、広い視野を持って、親身になってサポートしてくれると思う人と話すといいと言う。また彼女は話す人を慎重に選ぶよう勧める。
「あなたに共感してくれて、自立を助けてくれる人と話すべき。助言や新しい仕事の提案をする人たちとは話すべきではない」
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被害者ぶらない
失業はトラウマにもなりかねない悲惨な出来事だが、被害者意識でいることは周りの人たちをウンザリさせるだけではなく、あなた自身が前向きに生きていくことを妨げる。
マンフレッド・ケッツ・ド・ブリース (Manfred F.R. Kets de Vries)氏は自身の研究成果報告書『Are you a Victim of the Victim Syndrome?』の中で以下のように述べた。
「被害者意識を持つ人たちは、他者と関わるときにパッシブアグレッシブな特徴を見せる。彼らの行動は自虐的で、ほとんどマゾヒズム的なものだ。被害者意識は関係するものに及ぶようになり、『私は惨めだから私なのだ』などと自己否定したりする」
話をしたくない時の返事を考えておく
キャリア・マネジメントのコンサルティング会社Keystone Associatesで副社長を務めるペニー・ロシー(Penny Locey)氏は、求職活動の話をしたくない時のための返事を考えておくことを勧める。
「務めていた会社がオフィスを閉鎖した。就職活動はしているけど、今はまだ詳しく話せることはない。また連絡するよ。心配してくれてありがとう」というようなものでも良い。
助けを求めるのはまだ早い
「ショック期が過ぎれば、次は切迫感が襲ってくる。ソーシャルメディアで知り合いという知り合いに連絡し、代わりの仕事を探してしまいそうになるが、そうしてしまっては次に打つ手を考える時間がなくなる」と、テイラー氏は語った。
同氏によると、まずは自分の心の状態を考慮し、人と会うのは一段落したあとにするといい。
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極端な決断をしない
ロシー氏は過酷な状況下で、重要な決断をしないよう勧める。家族旅行をキャンセルしたり、髪を切ったりすることはやめるべきだ。
実績リストを作る
「自信を失ってしまうのは自然なこと。そしてこの挫折が長く影響すると感じてしまう。しかし、雇われている間は、会社に大きく貢献したはずだ」と、テイラー氏は述べた。
同氏は過去の大きな実績をまとめたリストを作り、自分は高いスキルを持った市場価値のある人間だと思い出すことを勧める。
怒りの手紙を書く
人材会社Laddersの創業者であり、CEOであるマーク・センデラ(Marc Cenedella)氏は、自分がどう感じているかハッキリ伝える怒りの手紙を書き、燃してしまうことを勧める。
胸の内に抱えたものを出してしまうことでうっぷんが晴らせると同氏は言う。手紙は処分してしまえば、誰かとの関係を壊してしまうこともない。
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ちょっとした休暇を取る
あなたが最後にリフレッシュ休暇を取ったはいつだろう? 解雇されることは、勤労のうえに勝ち取った、休暇を取るユニークな機会にもなりえる。夜中に友達と出かけたり、週末にハイキングをしたりして、羽を伸ばすといいだろう。
仕事の達人たちは、新しい仕事を探し始める前に休暇を取ることをよく勧める。なぜなら、仕事を探すこと自体が骨の折れる仕事だからだ。仕事探しに着手する前に、落ち着いてくつろぐ時間を設けるといいだろう。
感情を整理する
落ち着きを取り戻したら、感じている気持ちを整理することが重要だとパリス氏は言う。同氏によると、どんな感情を持っているか認識することから始めるといい。
「次はその感情をどうするか、それらにもっとも生産的に反応するためにはどうすればいいかなどを考えるべき。野放しにしてしまった感情は蓄積され、最終的に悪いように働くことになる」
大きな視野を持とう
テイラー氏は以下のように語った。
「転職を考えることは、確かに気が滅入ることだ。しかし、それがどれだけ困難に思えようとも、継続したキャリアと仕事から得た経験に目を向けるべき。あなたの在職期間は次なるより良いチャンスへの踏み台となり、解雇されたことはあなたの優先順位やキャリアへの情熱、長期的なゴールを見直すキッカケになる」
同氏は多くのビジネスの成功事例で、どん底を経験した人たちが素晴らしいことを成し遂げることを強調した。
「今回の経験は最終的にキャリアを次のレベルに持っていくための必要な変化になると信じて欲しい。それが変化を現実にする最初のステップだ」
[原文:17 things you should do as soon as you get laid off]
(翻訳:Wizr)