Negevハウスの共用スペース
Gabrielle Lurie/Reuters
ミレニアル世代の若者たちは、サンフランシスコに住んでキャリアを積むためなら、どんな苦労も惜しまない。ボートや小さな家、中には自家製の収納用木箱に住んでいる人たちもいる。
米国で2番目に家賃の高いサンフランシスコでは、大学を卒業したばかりの社会人は、最大で給料の79%が家賃に消える。この状況を考えれば、住民がユニークな方法を駆使して「住居」を確保しているのもなんら不思議ではない。
サンフランシスコでIT関係の仕事をする人たちをターゲットにしたシェアハウス「Negev」には、40人が暮らす。そのほとんどは2段ベッドに寝ている。月々の家賃は1900ドル(約21万円)だ。
Negevは、IT企業が集中するソーマ地区にある。ウェブサイト上には「LinkedInやDropboxなど、超大手ドットコム企業の本拠地で、サンフランシスコ・ジャイアンツのスタジアムの近く」と誇らしげに書いてある。サンフランシスコにはここ以外に、オークランドとオースティンにもNegevの拠点がある。
Negevの正面玄関
Gabrielle Lurie/Reuters
ロイター通信によると、25歳の住人、ザンダー・デジャ(Zander Dejah)は、毎月約1900ドルの家賃を支払っている。
Gabrielle Lurie/Reuters
建物は3階建てで、約50部屋ある。
Gabrielle Lurie/Reuters
Negevの売りは、IT企業に勤める若者に理想的な環境を提供すること。ブレストをしたり、アプリのコードを書くのに最適な場所だという。
Gabrielle Lurie/Reuters
週末にはパーティーが開かれ、毎週日曜日には夕食が出る。住人は共用スペースで交流する。
Negevの共用スペース
Gabrielle Lurie/Reuters
ニューヨークで生まれ育ったデジャは、昨年、コンピュータサイエンスと数学の学位を取ってマギル大学を卒業した。現在はコンサルティング会社moBackで、VRエンジニアとして働いている。
Gabrielle Lurie/Reuters
彼は、Negevでの生活についてロイター通信にこう語る。
「大学の延長のようなものです。学生寮に住んでいるような感覚ですね」
Gabrielle Lurie/Reuters
住人のほとんどは20代半ばから20代後半。ソフトウェアエンジニア、UIデザイナー、オペレーション・アナリスト、VRエンジニアなどが多い。
Gabrielle Lurie/Reuters
地元からはシェアハウスへの反発もある。サンフランシスコの住宅権利委員会エグゼクティブ・ディレクターのサラ・シャーバーン・ジマー(Sarah Sherburn-Zimmer)は、ロイター通信にこう語った。
「Negevは住宅を手頃な価格で手に入れ、普通の人では手の届かないような家賃を設定します。もともとこの辺りに住んでいた人たちから住んでいた場所を奪い、手っ取り早く金儲けをするために、それをまた貸ししている。それが、彼らのやっていることです」
Negevの近くのピザ屋
Gabrielle Lurie/Reuters
Negevの共同設立者アロン・グットマン(Alon Gutman)は批判に対し、「そのビルから誰かを追い出したことは一度もない。わたしたちは住宅問題を解決し、ポジティブな方法で人口密度を高めようとしているだけだ」と述べる。
Negev近くの交差点にある店
Gabrielle Lurie/Reuters
(敬称略)
(翻訳:Wizr)