マジックリープCEOロニー・アボビッツ氏とアップルCEOティム・クック氏。
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アップルが「スマートグラス」の開発に真剣に乗り出しているようだ。AR(拡張現実)デバイスを開発するスタートアップ、マジックリープ(Magic Leap)の元社員によると、アップルCEOティム・クック氏はAR技術を視察するために昨夏、同社を訪れた。
クック氏は、アップルがCGを現実世界に融合させるARに取り組んでいることと、同社にとって次の大型新製品になるのはスマートグラスであることを度々ほのめかしている。
数十億ドル規模の資金でスタートした謎多き企業マジックリープは、ARヘッドセットの開発に取り組んでおり、急成長中のこの分野における注目企業の1つとして知られている。
ブルームバーグは、クック氏がアップルのAR計画について具体化するために、マジックリープと協議したと報じている。
マジックリープのヘッドセットに関心を寄せている業界の大物はクック氏だけではない。グーグルのCEOサンダー・ピチャイ氏はマジックリープの役員会に名を連ねているし、マジックリープのCEOロニー・アボビッツ (Rony Abovitz) 氏は投資家や芸能人、あるいはVIPらに同社の技術をデモンストレーションするのが好きだと言われている。
例えばBusiness Insiderでも報じたように、歌手のビヨンセ(Beyoncé)は同社のヘッドセットを試している。セレブでなくとも「シリコンバレーの住人ならば皆、マジックリープを試したことはある」という声もある。クック氏がデモンストレーションを全て見たのかどうかは定かでないが、ヘッドセットを試用したほぼ全員が守秘義務契約書にサインを求められるようだ。
この件に関して、マジックリープ、アップルの双方はコメントしていない。
関係者によれば、マジックリープは投資銀行アレン・アンド・カンパニー(Allen & Co,)を通じてアップルを紹介されたという。アボビッツ氏、クック氏の両CEOは昨年、同銀行が主催したサンバレー・カンファレンス(Sun Valley Conference)に出席している。マジックリープは投資家らから14億ドル(約1600億円)を調達し、現在の企業価値は45億ドルとなっている。
マジックリープは大きな節目とみなされた2月の取締役会でのプレゼン以降、投資家だけではなく、ゴルフのPGAツアーやその他のスポーツリーグなどコンテンツパートナーとなりそうな相手に秘密裏にデモンストレーションを行っている。
シリコンバレーのVC、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)のベネディクト・エバンス(Benedict Evans)氏は以下のようにツイートしている。
iPhone以降に見た中で、最高にクールなのはマジックリープだってちょっと前に書いたけど、その時よりも今はもっとクールになっている。
[原文:Apple CEO Tim Cook took a look at secretive billion-dollar startup Magic Leap(AAPL)]
(翻訳:Tomoko A.)