DeepMindのムスタファ氏 (左)とデミス氏
Twitter/Mustafa Suleyman, YouTube/ZeitgeistMinds
人工知能スタートアップDeepMindの3人の共同創業者のうちの2人が、ヨーロッパのスタートアップ支援に向け、エンジェル投資家のネットワーク作りに動いている。英紙サンデー・タイムが報じた。
報道によると、2014年にDeepMindを約4億ポンド(約558億円)でグーグルに売却したデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏とムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)氏は、著名起業家やスタートアップのアーリーステージでの投資に特化する個人投資家「スーパーエンジェル」を集め、ヨーロッパの次世代を担うスタートアップ企業の支援を行う計画。
投資家集団はさまざまな分野のスタートアップを支援するために資金を拠出する。特に「深化したテクノロジー」を重点領域とし、今年後半にも投資を開始する。
ビジネスインフォメーション・プラットフォームのCrunchBaseによると、デミス氏とムスタファ氏はDeepMindの売却後、メンズ用衣料品のThreadや音楽チケットアプリのDice、そしてヘルスケアスタートアップのBabylonなど、アーリーステージのテクノロジー企業数社に個人で出資してきたという。
ThreadのCEOキーラン・オニール氏
Thread
DeepMindの3人目の共同創業者シェーン・レッグ(Shane Legg)氏は、2人の投資家ネットワーク構想にあまり積極的ではないと伝えられている。
2人を良く知る関係者はBusiness Insiderに対し、「デミス氏とムスタファ氏は、戦略系アドバイザリーファームOsborne & Partnersのイアン・オズボーン(Ian Osborne)氏から投資のアドバイスを受けている」と語った。関係者によると、2人とオズボーン氏は3人の頭文字から名付けた企業「MID」通じて、一緒に投資案件を手掛けてきた。
33歳のオズボーン氏はつかみどころのない人物で、「Wired list in 2012」で「国際問題について政界やビジネス界のリーダーたちにアドバイスをするゲートキーパーだ」と評されが、そこに名前が掲載されること自体に後ろ向きだったとされる。
オズボーン氏がディレクターを務めるロンドンの投資ファーム「Connaught Ltd」は今月初旬、Snap株を30万7692株を売却。売却価格は420万ポンド(約5億8000万円)相当と試算される。
Googleへ売却されたDeepMind自身も、多数の企業投資を行っている。
DeepMindは、これまでに少なくとも3社のテクノロジー・スタートアップを買収した。Dark BlueとVision Factoryの2社は、オックスフォード大学からスピンアウトし、機械学習とコンピュータビジョンを扱っている。もう1社のHarkは、インペリアル・カレッジ・ロンドンのスタートアップで、臨床医のタスクマネジメントに役立つアプリを開発している。
DeepMindはBusiness Insiderの取材に対し、コメントしていない。
(翻訳:編集部)