アマゾンは、自動車に狙いを定めた。
Amazon
アマゾンのAI「Alexa」が、その対応範囲をあらゆるデバイスへと拡大している。
Bluetoothスピーカー、テレビ、そして電球までもAlexaの対応範囲になっている。さらにアマゾンは、自動車に狙いを定めた。
同社はすでに自動車メーカー数社と提携し、Alexaを自動車に搭載する方法を模索している。
今年1月、フォードはCES( コンシューマー・エレクトロニクス・ショー )でアメリカで初となるAlexa対応自動車を発表した。
フォードのFocus Electric、Fusion Energi、C-Max Energiのオーナーは、すでにAlexaを使って一部の機能を操作できる。
例えば、Amazon Echoまたは小型のDotを使って、「Alexa、フォードにロックするよう伝えて」と話しかけて車をロックしたり、「Alexa、フォードのエンジンをかけておくよう伝えて」と言ってエンジンをかけておくことができる。
この夏、新しい車載システム「SYNC 3」を搭載したフォード車のユーザーは、車の中からAlexaを使って、天気を調べたり、オーディオブックを再生したり、家の中のスマート家電を操作することができるようになる。
最近、筆者は2017年式のFord Fusion Energiに試乗したのだが、この機能の素晴らしさには正直驚かされた。
ハイブリッドカーのFord Fusion Energiは、電気だけで22マイル走行可能。
Cadie Thompson/Business Insider
現状、Fusion EnergiでAlexaを使ってできることは6つだ。
ロックの操作、走行可能な距離の確認(電気およびガソリンの両方)、エンジンの始動と停止、走行距離計の確認、バッテリー充電量の確認、そしてタイアの空気圧の確認だ。これら全てを自宅からAmazon Echo経由で、簡単な音声コントロールだけで行うことができる。
車を停めた後に、ロックしたかどうかが心配になった経験は誰しもあるだろう。わざわざ家を出て、車まで行って確認する必要はもうない。Alexaに頼めばいい。出かける前にベッドから車の走行可能距離を確認できるという今までにない体験も刺激的だった。
最も役に立つ機能は何と言っても、通勤前に車のエンジンをかけておけることだろう。車にたどり着く頃には、もういつでも出発できる状態にできる。
Alexaを使って車にアクセスするには、AlexaアプリでMyFord Mobileスキルを使う。
Cadie Thompson/Business Insider
Alexaができることはまだシンプルなことばかりだが、これは始まりに過ぎない。
フォードが家と車を融合するAlexaを発表すれば、ユーザーは、音声コントロールでAlexaの全ての機能を活用することができるようになる。例えば、運転中にショッピングリストに品物を追加したり、ニュースのダイジェストに耳を傾けたり、近所のレストランや店を検索できる。またスターバックスのAlexaスキル(各社が開発するAlexa用の機能拡張)にアクセスし、通勤途中にコーヒーを注文することもできる。
Alexaと連携する家電を操作することもできるようになる。エアコンやライトなどを車の中から操作可能になる。
フォードによるAlexaの活用は、同社の計画のほんの序曲に過ぎない。
身の周りのあらゆるものがネットにつながり、車が自動運転可能なものになっていくにつれ、車にとって周囲の世界とつながることは不可欠な要素となりつつある。フォードの研究開発担当VPのケン・ワシントン(Ken Washington)は1月に行われたCESの記者発表で以下のように語った。
「これは氷山の一角だ。全く異なった2つのエコシステムが相互作用し、全く新しい体験を生み出して行く。声でつながる機能は今後より重要性を増すだろう。そしてフォードのデジタルエコシステムを別のエコシステムと連携させることは非常に重要だ」
Alexaの搭載を考えている大手自動車メーカーは、フォードだけではない。
フォルクスワーゲンは1月にAlexaの搭載を発表、BMWおよびヒュンダイも一部の車にAlexaをもとにした機能を搭載する計画を発表した。
source:Amazon
[原文:I used Amazon's Alexa to control a Ford Fusion and I'm convinced it's the future of driving(F)]
(翻訳:まいるす・ゑびす)