『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でもたくさんの変更があった。
Disney/Lucasfilm
映画は完成までに、幾多の変更が重ねられる。そして、『スター・ウォーズ』ほど、変更の中身が知りたくなる映画はないだろう。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でもたくさんの変更があった。
この映画は、公開前も公開後も再撮影の際になされた変更が、速報で報じられた。
現在、4月4日のアメリカでのブルーレイ版の発売を前に、製作陣による記者説明会が行われている(日本では4月28日発売)。エンターテイメント・ウィークリーは脚本家の1人から、『ローグ・ワン』の初期のエンディング案を聞き出した。特に、もしディズニーが全ての登場人物が殺されてしまうエンディングに対してNGを出した場合、どういう別案が用意されていたかについてだ。
ギャレス・エドワーズ監督、ディズニー、ルーカスフィルムが決めたエンディングでは、フェリシティ・ジョーンズ演じるジン・アーソ、ディエゴ・ルナ演じるキャシアン・アンドー、アラン・テュディック演じるK-2SO、そして彼らを助けるべく陽動作戦を行う仲間たちは、デス・スターの設計図を盗み出し、反乱軍にわたすことに成功する。しかし彼らは全滅してしまう。
「最初に直感的に芽生えたアイデアが、全滅するというものだった」と脚本家のゲイリー・ウィッタ(Gary Whitta)は同誌に語った。
「それだけの価値がある。全身全霊を捧げられるものなら、自分の命をもささげられる。デス・スターは、仲間たち全員を殺しにくる破壊兵器なのだから、それを壊すためならば死ねると。それが僕たちがずっと考えていたことだ。でも実際にはその案を実現させたことはなかった。ディズニーが許さないだろうと思っていたから。スター・ウォーズ作品としてはあまりにも暗いエンディングだと、ディズニーが判断するのではないかと思っていた」
だからウィッタと初期の脚本チームの一員であるジョン・ノール(John Knoll)は、ルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディ(Kathleen Kennedy)に全員が死んでしまうエンディングの必然性を話す前に、「ハッピーエンド案」をまとめた。
ジンとキャシアンは、宇宙船がダース・ベイダーに破壊される直前に脱出したという結末も検討された。
Disney
この案では、ジンとキャシアンがデス・スターの設計図を携えて惑星スカリフから逃げる際、反乱軍の宇宙船が海岸にいる彼らを迎えに来ることになっていた。ジンとキャシアンを乗せた宇宙船が、ダース・ベイダーが乗るスター・デストロイヤーに追いかけられている間に、設計図はレイア姫の宇宙船に移される。ダース・ベイダーは、ジンとキャシアンが乗る宇宙船を破壊し、レイア姫を追う。それが『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の冒頭部分につながる。
ジンとキャシアンは、宇宙船がダース・ベイダーに破壊される直前に脱出ポッドで脱出したという結末だ。
このエンディングは、イマイチだった。
「彼らを生かそうとすると、脚本が複雑になってしまった。これはつまり、脚本の神様に『彼らが生き残るべくして生き残る人物なら、こんな面倒な話にはならないはずだ』と言われたようなものだった」とウィッタ。
「だからスカリフで彼らは死ぬべきだという結論に達した。それがエンディングになった。我々は何度もいろいろなストーリーを組み合わせて、ありとあらゆるアイデアを試した。そして、絶え間ない試行錯誤の中から、最高のエンディングが生まれた」
もしも、「ハッピーエンド案」が採用されていたら、最後のあの素晴らしいダース・ベイダ―の戦闘場面は生まれなかったのだ。
(敬称略)
source:Disney/Lucasfilm、Disney
[原題:The alternate ending of 'Rogue One' reveals who would have survived]
(翻訳:日山加奈子)