サンフランシスコの平均家賃は月4200ドル。
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サンフランシスコの家賃は異常なほど高いことで知られている。
従業員が高額な生活費を支払わなくて済むように、ある中小IT企業は、従業員がベイエリアから離れ、在宅勤務をするなら、引っ越し費用として1万ドル(約111万円)を支援する制度を始めた。
ZapierのCEO、ウェイド・フォスター(Wade Foster)氏は3月17日に更新したブログで、試験的なインセンティブプログラムを発表した。同プログラムは、就労開始後3カ月以内にベイエリアから離れる従業員に対し、同社が1万ドルを上限に引っ越し費用を支給するもの。
「我々の中には本当にこのエリアが好きで、経済的にもここを我が家と呼ぶことに問題のない人もいる。だが、それ以外の人間にしてみれば、ベイエリアを一生のすみかとするのは非常に難しく、20代か30代の間に短期間だけ住むという場所以外にはなり得ない」(フォスター氏)
Zapierのブログ。「場所逆移動プログラム:キャリアはそのままでベイエリア以外に住もう」
Zapier
Zapierはお気に入りのアプリとサービスを連携して、必要な作業を自動化するツールを開発する企業で、現在、フリーランスのライター、エンジニア、製品管理担当、その他事務スタッフを募集している。フォスター氏はサンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)に対し、この取り組みについて多くの反響があったと語った。
同社はこの取り組みを、生活費の高い別の都市に住む従業員にも拡大することを検討している。
Zapierにはすでに完全在宅勤務のチームがある。オフィスはなく、3人の共同創業者たちも皆、在宅勤務だ。フォスター氏は、このプログラムを通じ、従業員の仕事の目標だけでなく、人間的成長の手助けもしたいと言う。時として、テックハブの外に出ないと人間的成長は得られないものだ。
ベイエリアの賃貸市場は米国内で最も高い。不動産サイト「トゥルーリア」(Trulia)によれば、サンフランシスコの月々の平均家賃は4200ドル(約47万円)。関係者によると、グーグルやUber 、Airbnb 、Twitter の中・上級の技術者は、職場の近くに住むために月収の4割から5割を費やしているという。
また、この極端に家賃が高いサンフランシスコでは、ミレニアル世代が人口の約3割を占めている。
source: Zapier 、Trulia、QUARTZ、Inc.
[原題:The cost of living in San Francisco is so high, a tech company is paying workers $10,000 to leave]
(翻訳:日山加奈子)