イートン・パーク・キャピタル・マネジメントCEOのエリック・ミンディッチ氏
ヘッジファンドのイートン・パーク・キャピタル・マネジメント(Eton Park Capital Management)は、ファンドの閉鎖を決めた。
創業者のエリック・ミンディッチ氏は23日木曜日、投資家に手紙で以下のように述べた。
「業界への逆風、マーケットの困難な状況、そして我々の2016年の業績悪化の結果、私たちのファンドの原則に沿った投資プログラム実現に必要な規模と展望を維持することが難しくなった。大変残念だが、我々はあなた方に資本を戻すという決定をせざるを得ないだろう」
Business Insiderは手紙のコピーを入手し、内容を精査した。
ミンディッチ氏(49)は、全ての投資家の資金の40%を4月末までに返すとした。残りの返済は「数カ月以内」を目指すが、一部はさらに時間がかかると述べ、最大の投資家はイートン・パークのパートナーと従業員だと説明した。
イートン・パークの2004年の設立時の運用資産は35億ドル(約3900億円)で、当時は最大のヘッジファンドの1つだった。ミンディッチ氏はゴールドマン・サックスで、最年少の27歳でパートナーに昇進したと言われる。
ファンドの組成と閉鎖の件数を示したグラフ
HFR
金融情報誌などを発行するInstitutional Investorのステファン・ターブ(Stephen Taub)氏の1月のレポートによると、イートン・パークの旗艦ファンドの2016年の損失率は9.4%となり、資産は90億ドルから70億ドルに減少した。
同社閉鎖のニュースは投資家やヘッジファンド関係者に衝撃を与えた。閉鎖を当日知った従業員もいるという。
状況をよく知る投資家によると、イートン・パークは今年、償還の期限を迎えていた。この投資家は「昨年の投資パフォーマンスは良くなかったものの、過去数年は順調だった」と述べた。
データベースのHFRによると、ヘッジファンド業界では清算の動きが加速しているという。昨年は700以上のファンドが誕生する一方、1000以上が閉鎖。著名ヘッジファンドのペリー・キャピタルも昨年閉鎖された。
イートン・パークの閉鎖についてはニューヨーク・タイムズが先日、報じていた。
[原文:One of the biggest hedge fund launches of all time is shutting down]
(翻訳:中西亮介)