JPモルガン、J&J、ベライゾン……。相次ぐYouTube広告の掲載停止 —— グーグル元CEO「時にアルゴリズムに翻弄されることも」

グーグルの親会社アルファベットのエリック・シュミット会長

グーグルの親会社アルファベットのエリック・シュミット会長

Business Insider

仮に改善策が施されても、企業広告がYouTubeなどに掲載された疑わしいコンテンツに表示されることを完全に防ぐことはできない。世界の大手企業のYouTube離れは続きそうだ。

グーグルの元CEOでその親会社アルファベットの会長を務めるエリック・シュミット氏は23日(現地時間)、FOXビジネスのマリア・バーティロモ(Maria Bartiromo)氏によるインタビューで、同社は広告主が不適切と考え得るコンテンツに広告が表示されないとは「保証できない」と語った。

YouTubeに掲載されたテロや反ユダヤ主義をあおる過激派グループの動画コンテンツにイギリス企業の広告が表示されているとタイムズ紙が報じた後、これまでに少なくとも250の企業がYouTubeとグーグルから自社の広告を引き揚げている。22日(現地時間)には、アメリカ最大の広告主であるAT&TとベライゾンがグーグルとYouTubeの検索以外のすべてのサービスから広告の掲載を停止している

ロイターやブルームバーグなど複数の海外メディアによると、23日(現地時間)にはアメリカのJPモルガン・チェースやヘルスケア大手のジョンソン・エンド・ジョンソン、フォード・モーターなどが広告の引き揚げを決めたと言う。日本企業の中ではトヨタ自動車がすでにイギリスでの広告を取りやめたとブルームバーグが報じている

検索エンジン関連の広告事業が成熟化する中で、YouTubeはグーグルの成長を加速させる重要な柱の1つになっている。eMarketerによると、YouTubeからの広告収入は昨年558億ドル(約6兆2000億円)に上った。グーグルの世界広告収入は2017年に737億5000万ドルを見込んでいる。ただ、そのうちの83%が検索エンジン関連の広告収入であるため、大手企業のYouTubeへの広告掲載停止は不名誉な事態ではあるが、グーグル最大の稼ぎ頭に影響はないと、ロイターは報じている。

AT&TやベライゾンがグーグルとYouTubeへの出稿を中止したことについてバーティロモ氏が尋ねると、シュミット氏は、コンテンツと広告をマッチングさせるアルゴリズムに翻弄されることが時々あると述べた。

「我々は広告とコンテンツをマッチさせるが、さまざまな方面から広告を引き受けているため、時々アルゴリズムに翻弄されて広告とコンテンツがマッチしないことがある。我々はポリシーを強化し、実際、マニュアルでのレビュー回数も増やしたので、今後は大丈夫だと思う」とシュミット氏は語った。

これ以上アルゴリズムに翻弄されることはないとグーグルは保証できるのかとの質問に対して、シュミット氏は「保証はできない。ただ我々はそれに近いところまで来ている」と答えた。

グーグルの広報担当はコメントを拒否した。シュミット氏はグーグルによる広告主への対応について直接的には関与しない。グーグルのCBO(最高業務責任者)フィリップ・シンドラー(Philipp Schindler)氏は同社のブログで、広告がどのコンテンツに表示されるか、広告主の裁量を広げられるよう改善すると発表した。

広告主にとっての懸念は残るがゆえに、企業は広告掲載の停止を余儀なくされている。AT&Tは22日(現地時間)、グーグルがより効果的な再発防止策を講じるまで広告を引き揚げると発表した。「グーグルが二度とこのような問題は起きないと確約するまで、グーグルの検索以外のプラットフォームから我々の広告を引き揚げる」とコメントした。

シュミット氏のインタビュー動画はこちら。

[原文:Top executive says there's no way Google can guarantee ads won't appear next to inappropriate content

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