Uber
法人ビジネスを強化するUberに、同分野を熟知するベテラン2人が加わった。
今週、Dropbox出身のジュリー・ヘレンディーン(Julie Herendeen)氏がUberの企業向けマーケティング部門のグローバル主任に、アマゾンのエイドリアン・エイゴスティーニ(Adrian Agostini)氏が企業向けセールス部門のトップに就任した。
ヘレンディーン氏は以前、Dropboxのマーケティング担当だったが、2016年3月に離職。エイゴスティーニ氏はAmazonのセールス部門のトップを9年以上務めた。
Dropboxで昨年までマーケティングを担当していたジュリー・ヘレンディーン氏
2人の移籍は、Uberがビジネスシーンでの移動手段として急速に存在感を高め、経費を抑えたい法人顧客へのサービス提供が重要性を増していることを反映している。
競合のLyftが企業向けセールスチームを縮小し、ヘルスケアや政府関連の利用に注力する一方で、Uberは契約企業数を急増させている。Uberによると、6万5000社以上が同社の法人向けサービス「Uber for Business」を利用し、自社の交通費のコスト削減を図っているという。
現在のペースだと、Uberの法人顧客の利用額は2017年に17億ドル(約1890億円)に達する見通しで、同社は現在100人の法人向けチームを同年中に3倍の規模にする方針を打ち出している。Uberは2016年の同事業の利用件数を公表していない。
2人は、スキャンダルが続発し、数多くのエクゼクティブが会社を去っている厳しい時期にUberに加入する。つい先日は、Uberの社長ジェフ・ジョーンズ(Jeff Jones)氏が、会社とのリーダーシップをめぐる考え方の相違を理由に就任6カ月で辞任を表明した。また、Uberは現在COO候補を探しており、後任が決まるのを待って、現在欠員となっている多くの管理職ポストの人事を決めるという。
(翻訳:中西亮介)