KFC Japan
アメリカでクリスマスといえば、キャンディーとハムをイメージするのが一般的だが、日本では「あるファストフード」が定番だ。ケンタッキーフライドチキン(以下KFC)である。
過去40年にわたりKFCは、日本で、クリスマスとフライドチキンをほぼ同意語にすることに成功している。
日本では約360万の家庭がクリスマスシーズンにKFCを食べると推定される、とBBCは報じた。数週間前から何百万という人々が列をなし、フライドチキンを注文する。
KFCがどのようにして、日本のクリスマスの代名詞になったのかを見てみよう。
KFCのクリスマス販売戦略は、1984年から2002年まで日本KFCのCEOを務め、日本のKFC1号店をスタートした大河原毅氏によって打ち出された。
Here's the BBC article on KFC's Christmas marketing in Japan.
KFC日本1号店がオープンして数カ月後、大河原氏は「パーティバレル」をクリスマスに販売することを思いついた。アメリカの七面鳥の食事からアイデアを得て、七面鳥の代わりにフライドチキンを売ることにした。
1974年には「クリスマスにはケンタッキー」というキャッチコピーが一世を風靡した。
「パーティバレルのキャンペーンは人々の潜在需要を刺激したのです」
フランスのEMLYON経営大学院でマーケティングの准教授を務めるJoonas Rokka氏はBBCにそう話す。
「日本にはクリスマスを祝うという伝統がありませんでした。そこにKFCが参入し、『クリスマスはこう祝うんですよ』と伝えたのです」
KFC Japan
日本のキリスト教徒は人口の2%に満たないため、クリスマスは伝統的行事ではなかった。
KFCは「クリスマスにはチキンを食べよう」というシンプルなメッセージで、商業的な伝統を作ることに成功した。
KFCのクリスマス商品はフライドチキンだけではない。
KFC Japan
KFCが定番になる前から、ケーキ付きのセット商品が多くなった。
プレミアムバレルは、スペアリブやキノコとチーズが詰め込まれたローストチキンなどのオプションが付いている。
KFC Japan
パーティバレルと一緒にクリスマスワインを購入するのもいい。
日本のクリスマスパーティでは、KFCはごちそうの1つ。
カーネル・サンダースはKFCにとって、日本のクリスマス戦略の象徴的存在だ。
Flickr Robert Sanzalone
クリスマスシーズンになると、全国各地のカーネル・サンダースがサンタのコスチュームを着る。
事前予約をしておかないと、クリスマス当日に長い行列に巻き込まれてしまう。
アメリカでは、KFCはクリスマスディナーにならないが、日本ではメインディッシュになる。
[原文:How KFC made Christmas all about fried chicken — in Japan]
(翻訳:Wizr)