3Dプリントハウス(モスクワ近郊)
Apis Cor
もしあなたが家を自分で建てるとしたら?
デザインにもよるが、約400平方フィート(約37平方メートル)の小型住宅を建てるだけでも、通常、数カ月もの期間と何万ドルという材料費がかかる。
サンフランシスコを拠点とする建築スタートアップ Apis Corは最近、モスクワ近郊で住宅を24時間で、しかも1万134ドル(約112万円)の建築材料費で建てた。
それを可能にしたのが3Dプリンターだ。
同社はロシアの住宅建築会社 PIK Groupと協力して、モスクワ南部にテスト施設として住宅を建てた。丸型の住宅を建てるためにまず、3Dプリンターのプログラムを設定。プログラムに合わせて、セメントを層状に塗り重ねて住宅を形成する。
Apis Cor
3Dプリンターは、内壁と外壁との間に小さな隙間を残し、後から作業員たちが断熱・防音のためにガラス繊維強化材を詰めて、ポリウレタン混合物を噴霧する。
Apis Cor
窓やカウンター、キャビネットなどの設備を取り付け、明るい黄色でペイント。約24時間で、作業員と3Dプリンターは全てを終えた。
上空から見下ろした家の様子はこちら。
Apis Cor
広さ409平方フィート(約38平方メートル)のこの住宅は、オープンレイアウトが特徴。浅い仕切りのおかげで、リビングはキッチンから少し離れており、ソファベッドが置けるベッドルームにもなる。壁のくぼみには小さな浴室もある。
Apis Cor
同社によると、3Dプリンターでの住宅建築は人間が作業を行うよりも効率的で低予算だという。基盤や壁、断熱・防音材、設備品、配線などに必要な費用は1万ドル(約110万円)ほどだ。同じ大きさで同じ建築材料の正方形の住宅は、約8870ドル(約98万円)だという。
「四角形だろうとなんだろうと、物理的に可能なら、どんな形の建物でも建てられます。これまでは夢として語られてきた建築の方法論に関する新しい可能性について、いま、わたしたちはようやく議論することができるようになったのです」
source:Apis Cor、YouTube
[原文:A startup invented this $10,000 house that can be built in one day]
(翻訳:梅本了平)