ジョン・マッキー (John Mackey) 氏がパイオニアだったのは、遠い昔の話ではない。
ホールフーズ・マーケットCEOのマッキー氏が初めて店を開いた1980年、彼は自然食品ブームの最前線を走っていた。その後、同氏は米国最大の自然食品スーパーマーケットチェーンの創業者になる。
しかし今日、ホールフーズを取り巻く環境は大きく変わった。
UBSは「ホールフーズは自然食品市場を生み出し、革命を起こしたが、今となっては自身の成功に苦しめられている」と最近の報告書で指摘している。
有機取引協会(the Organic Trade Association)によると、自然食品の売り上げは2005年から2015年にかけて138億ドル(約1兆5200億円)から433億ドル(約4兆7800億円)へと3倍以上増えており、その需要に陰りはまったく見られない。一方、ホールフーズの売り上げは4年連続で減少。競争が激化したことが主な要因として挙げられている。
ホールフーズは、自然食品市場に参入してきたライバルと激しいシェア争いを強いられている。UBSの発表によると、ホールフーズ全店舗のうち42%が競合のトレーダー・ジョーズから車で5分の場所に位置している(4年前から3%上昇)。そして34%がKroger(クローガー)の近隣にある。
ホールフーズの競合店舗の多くは、似たような商品をホールフーズよりも安く販売している。また、UBSによると、ロサンゼルス地区にあるホールフーズの価格帯は、競合のKrogerやSproutsに比べて平均13%高い。
この価格競争に勝利するため、ホールフーズは新しいチェーン店「365 by Whole Foods Market」をオープンした。しかし、これらの店舗も海外小売業者からの脅威にさらされている。ドイツのスーパーマーケットチェーンLidlは2018年半ばまでに米国東海岸に100店舗をオープンすると先日発表した。また別のドイツのディスカウントチェーンLidlは米国内に展開する1300店舗の改装と、商品の見直しに16億ドルを投入すると発表した。
ドイツのスーパーマーケットチェーン「Lidl」
[原文:Whole Foods is losing at its own game](翻訳:Satoru Sasozaki)