OktaのCEOトッド・マッキノン氏
Okta
アメリカで今年2番目に大きい新規株式公開(IPO)と注目を集めるクラウド管理システムのOktaが、売り出しの価格幅を1株当たり13〜15ドルだと発表した。1100万株の売り出しを計画するOkta。公開価格が同価格レンジの中値であれば、同社の企業価値は20億ドル(約2210億円)に達する。調達額は1億6000万ドルとなる。
Oktaが以前に行った2億3000万ドル相当の調達ラウンドでは、同社の評価額は12億ドル。Oktaは今までにSequoia Capital(Oktaの株式21.2%を保有)、Greylock(同16.9%)、Khosla Ventures(同8.1%)といったベンチャーキャピタルからも資金を調達している。また、同社はベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzが運用するポートフォリオに含まれた初のクラウド・スタートアップとなり、同VCは現在もOktaの19.6%を保有している。
Oktaは、企業の従業員が多くのクラウドサービスを利用するためのパスワードを管理するサービスを提供。また、ノートPCの安全性を確保したり、モバイルアプリの開発者がパスワードを管理できるなどのセキュリティサービスにも参入している。
Oktaは2009年にセールスフォース(Salesforce)の初期メンバーによって設立。CEOのトッド・マッキノン(Todd McKinnon)氏はセールスフォースのエンジニアリング部門の元シニア・ヴァイス・プレジデント。COOのフレディ・ケレスト(Freddy Kerrest)氏は初期のセールスフォースのビジネス・デベロップメント担当だった。セールスフォースは2013年に、Oktaの競合となるSalesforce Identityを立ち上げている。一方、マイクロソフトはOktaの競合であり、協力関係を持つ企業でもある。
これら大手企業との激しい競争にさらされる中、Oktaはこれまでに3100以上の企業クライアントを獲得してきた。センチュリー・フォックス(Century Fox)、アドビ(Adobe)、LinkedIn、MGMリゾーツ(MGM Resorts)などが同社の顧客リストに含まれている。
[原文:Okta prices its IPO and hopes to hit a $2 billion valuation]
(翻訳:中西亮介)