米リサーチ会社大手のReputation Institute(レピュテーション・インスティテュート)が毎年発表する「世界高評価企業ランキング」によると、2016年世界で最も評価の高い企業は、高級時計メーカー、ロレックスだった。
同ランキングは15カ国に住む約24万人の消費者を対象にアンケートを実施し、商品とサービス、イノベーション(革新性)、職場環境、財務実績、企業市民性、リーダーシップ、業績という7つの項目における評価をスコア化し、ランク付けしたもの。
スイスの時計メーカー、ロレックスは北米とアジアにおいてトップにランクイン。レゴはヨーロッパと中東、グーグルはラテンアメリカで首位に輝いた。
10. アディダス:77.27点
アディダスが発売した定番スニーカー「NMD」のニューモデル
Brad Barket/Getty Images
独スポーツウエアメーカー、アディダスにとって2016年は当たり年であったことが証明された。予想を大幅に上回る10億ドル(約1100億円)以上の純利益をあげたのだ。アディダスのCEOであるカスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)氏は、Eコーマスでの飛躍的な売上げ増、効率性の向上、社風の改善を目的とした2020年までのビジネス戦略を打ち立てた。2016年は、そのまさに最初の年にあたる。
アディダスはブランドの付加価値を高めるため、カニエ・ウエスト、ファレル・ウィリアムズ、リタ・オラなどセレブとコラボレーションした商品を発表した。
9. ロールスロイス:77.66点
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ロールスロイスはこのランキングでは数少ない伝統的製造メーカーでありBtoB企業だ。同社はエアバスA380、ボーイング787など多くの旅客機エンジンを製造している。新技術の開発にも積極的で、2017年3月には、自律型無人輸送システムの開発を進めるべく、フィンランドの研究開発(R&D)センターへの投資計画が発表された。
8. インテル:77.74点
インテル CEO、ブライアン・クルザニッチ(Brian Krzanich)氏
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インテルはデスクトップおよびノートパソコンのチップ製造をリードするテクノロジー産業において、不可欠な企業となった。携帯電話革命の波に乗り遅れたにも関わらず、インテルはiPhone7を手がけるという噂とともに、市場競争へと返り咲いてきた。
2017年、同社は自動運転技術メーカーMobileyeの買収でスタート。買収価格は15億3000万ドル(約1700億円)だった。CEOのブライアン・クルザニッチ(Brian Krzanich)氏は、第5世代移動通信システム(5G)と接続性向上に向けて、さらなる投資を行うと話している。
7. ソニー:77.74点
Thomson Reuters
ソニーはコンピューターブランド「VAIO」による昨年の業績不振から復活した。2016年はプレイステーションゲームの操作機としてVRヘッドセットを発売。それはVR市場の半数のシェアを得た。あまり知られていないが、ソニーはiphone7やサムスン Galaxy7など、スマートフォン業界をリードする多くの機種のカメラセンサーを製造している企業でもある。映画部門(Sony Mothion Pictures)では『ゴーストバスターズ』の現代リメイク版、映画版『アングリーバード』など、2016年を代表するヒット作品を連発。音楽部門(Sony Music)でも、ビヨンセ、エイサップ・ロッキー、カルビン・ハリスなど、人気アーティストを抱えている。
6. ボッシュ:78.12点
自動運転システムのテスト車両として使用されたモデル「テスラ」
Bosch
ドイツに本拠地を置く電子工学メーカー、ボッシュは2016年、IoT(モノのインターネット)業界とソフトウエア業界において、確固たる地位を獲得した。2016年10月、同社は自動車の自動運転システム(ハード・ソフトウエア)の公道試験を行い、アマゾン、グーグルと競合できる自社クラウドサービスを構築すると発表した。
5. グーグル:78.22点
グーグルの音声認識機能搭載スピーカー「Home」
評価スコアはアップしたものの、前年3位から転落したグーグル。2016年は新たな持ち株会社Alphabet(アルファベット)が創業して初めての年であり、新型スマートフォン「Pixel」や、グーグルの音声認識機能を搭載したスマートスピーカー「Home」など、テクノロジーメーカーとして大衆へのAI拡散を狙った新製品を発表した年でもあった。さらにAlphabet(アルファベット)は、VRヘッドセット「Daydream View」も発売した。
4. キヤノン:78.28点
Thomson Reuters
2016年、キヤノンは4000近い特許を獲得した。これはIBM、サムスンに次いで世界で3番目に多い数である。6655億円で東芝メディカルシステムズを買収したように、この世界最大のカメラ/プリンターメーカーは、2016年、買収によって大きく成長した。
3. ディズニー:79.19点
Walt Disney CEO、ボブ・アイガー(Bob Iger)氏
Jae C. Hong / AP
第3位にランクが下がったにもかかわらず、トータルスコアは前年に比べて上がったのが、ディズニーだ。
2012年に『スター・ウォーズ』の制作会社として知られるルーカスフィルムを買収した同社。2016年はその果実を目にすることから始まった。1月『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が全世界で一斉公開され、続いて12月『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開。合わせて10億ドル(約1100億円)以上の興行成績を収めた。最近、『スター・ウォーズ』シリーズが2030年まで続くことが明るみに出たが、CEOであるボブ・アイガー(Bob Iger)氏についても、2019年までの契約延長が発表された。
2. レゴ: 79.46点
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デンマークのビルンに本拠地を置く玩具メーカー、レゴは前年に比べて6つの項目において2位に浮上、2016年「世界高評価企業ランキング」において最も偉大な勝者だ。競合他社である米Hasbro(ハズブロ)と米Mattel(マテル)が合併について協議している間に、レゴは偉大な業績を打ち立てた。2010〜15年にかけて、企業収益は2倍以上となり、2016年の売上高は6%増加している。
同社では初の非デンマーク人、バリ・パダ(Bali Padda)氏がCEOに任命された。
1. ロレックス: 80.38点
Watchchest.com
世界高評価企業ランキング1位に輝いたのはロレックス。その順位を押し上げたのは、製品・サービス項目における、ありえないほど高い評価だ。調査対象となった15カ国全てで、また7つの調査項目全てにおいて、トップ10にランクインした。
2016年、富裕層市場は1%成長で停滞していた。しかし、スイスの時計ブランド、ロレックスはラグジュアリーラインを発表し、アップルウォッチの対抗馬として成功。
昨年、ロレックスは60年を超える歴史をもつ初号機の新モデル「ムーンフェイズコンプリケーション」を発売した。未調整でも122年にわたって正確な時を刻める天文学的正確性をもち、現在の月の満ち欠けを読み取れる月齢表示窓を備えている。
[原文:The world's top 10 companies, ranked by reputation]
(翻訳:本田直子)