仕事の場面で、女性という理由で男性と異なる扱いを受けることは珍しくない。男性社会の金融業界ではなおさらのことだ。
ゴールドマン・サックスのパートナーであるクレア・シェーラー(Clare Scherrer)氏は金融業界の若い女性たちに、できるだけ早く顧客と会うことで彼らの先入観を取り払い、自分の能力を知ってもらうべきだととアドバイスしている。
ゴールドマン・サックス 投資銀行部門のグローバル産業課共同代表を務めるシェーラー氏は同社のポッドキャスト、Exchanges at Goldman Sachs のQ&Aで、「私たちは本を読み始めるまでは、表紙から全体を判断しがちです。女性はそのことに気付くべきです」と述べ、自らの経験を紹介した。
「イタリアのクライアントとの会議のためミラノへ飛び、空港に着いたとき、同僚にクライアントのCEOから電話が入っりました。『きみは、一緒に連れてくるクレアが女性だと事前に教えてくれなかったじゃないか』と言うのです」
CEOは、会議に女性が来るのに、しゃれたレストランを予約していなかったことに動揺していたという。
「そんなことを心配するなんて面白いと思いませんか? クライアントの会社へ到着し、近くのカフェテリアでサンドイッチを食べながら会議を始めました。会議が始まって15分後、彼は私が女性であることを全く忘れていました。私の提案の内容に引き込まれていたのです。彼が知りたいことについて、ゴールドマン・サックスの中では私が最も詳しいことに気づいてくれました。大事なのは本の表紙ではなく、中身だと分かってもらえたのです」
この経験は金融業界で働くことを目指す若い女性たちに有益なアドバイスとなるだろう。
「早い段階で、そして頻繁に、直接顧客と対面し、提案や見解を伝えること。若い女性が成功を収めるためにはそれが極めて重要なことなのです」
[A top Goldman Sachs dealmaker says she learned a major career lesson eating in a cafeteria in Milan]
(翻訳:時田雅子)