ロシア軍の歴史に見る大失敗に終わった「軍事プロジェクト」一覧

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2016年に起きた数々の事件は、ロシア軍の真の実力を浮き彫りにした。

シリアの首都アレッポに対する爆撃にロシアが関わっているという事実は国際社会に怒りを巻き起こし、また大統領選挙でトランプ氏のライバルであったヒラリー・クリントン氏に損害を与えるようなEメールを拡散することで、トランプの有利になるよう、ロシア軍のハッカーが工作を仕掛けたと、アメリカの情報機関は信じている。

どちらの件についても、ロシアは戦略的に成功したと言える。アレッポは現在、ロシアに支援されたシリア政府に制圧され、ドナルド・トランプ氏は次期大統領の座を勝ち取った。

ロシア軍の歴史は、多くの成功とそれより多くの失敗の歴史である。この記事で「大失敗に終わった軍事プロジェクト」の数々に焦点を当てる。

*トーマス・ハーストはこの記事の初期版の一部に寄稿している。


T-14アルマータ戦車は「第2次大戦後世界初、第3世代戦車」として喧伝されていたのだが、そこには大きな失望があった。新品でハイテクなこの軍用機械が2015年、モスクワの戦勝記念パレード中に壊れた時は、他の車両に綱でひっぱってもらわなければならなかった。

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ロシア軍の戦車の失敗といえばそれだけではない。ソビエト連邦のT-80が1976年に紹介された際には、ガスタービンエンジンを搭載した戦車としては最初の量産になると言われていた。

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ところが、第1次チェチェン紛争(1994-1996)でこの戦車を操縦していた兵士たちは、この車両購入の元々の目的である市街戦にこの車種は適さないことが分かった。 この戦車の脇腹の機甲が打撃を喰らうと、車両のオートローダ内にある未使用の弾薬が爆発して、車両全体を破壊してしまうのだ。この戦車はあまりにも明らかな失敗作で、防衛大臣は2度とこの戦車を注文しないことに同意したくらいだった。

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ロシア軍の戦車の試行錯誤における歴史的失敗について、さらに遡ることができる。ツァーリ・タンクは、1914年に初めて試験運用された時から、伝説的な地位を築いている。 この装甲車両は、9メートルのスポーク車輪が2輪、そしてそれよりも小さい車輪が後ろに1輪ついた三輪車のようなデザインをしていた。

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重量の計算を間違えたため、この三輪車仕様の車両はよく後輪がはまって動けなくなってしまい、そうすると車輪は機甲されていないため、運転している者が砲火にさらされてしまう。 車両は試験運転の先に進むことなく、1台のみが作られて終わった。

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Kh-22空対地ミサイルは、アメリカの航空母艦や軍艦に対抗するため、長射程空対艦ミサイルとして設計された。

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このミサイルは友好関係にある領域を攻撃するために作られたのではなかったが、2002年にはまさにそれが起きてしまった。ロケットの1つがロシア軍の演習中に誤って発射され、カザフスタンのアティラウ地区に“一撃”を加えた。ロシアの防衛大臣セルゲイ・イワノフ氏に赤っ恥をかかせた失敗事例。

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ミコヤン・プロジェクト1.44(MiG-1.44)は1980年代のアメリカの第5世代戦術戦闘機の開発に対する、ソ連の答えだった。

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30年を経た今もなお、MiG-1.44の立ち位置はある種のミステリーとして残っている。というのは、この戦闘機は2000年に最初で最後の飛行をした際に技術者たちが機械的問題を見つけたと言われているのだ。 唯一知られている試作品は、2013年にグロモフ記念航空研究所に長期保存されることとなり倉庫に吊るされているが、その経過は知らされていない。

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ロシアの旗艦、航空母艦アドミラル・クズネツォフは、ロシア製空母としては唯一、現在も活発に活動中で、1995年からフル稼働している。

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この空母は、空爆に関わった戦闘機の基地としてシリアに対するロシア軍の爆撃において主要な役割を果たした。しかし、かなりの老朽化により長年にわたる多くの問題が批判の的となってきた。 2016年11月には、ロシアのMig-29ファルクラム の1機が空母に着陸しようとして墜落した。その数週間後、スホーイ33戦闘機が着陸に失敗し墜落するという、似たような事件を起こしている。

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この空母は長い間多くの問題を抱えてきた。発電装置の問題が理由で、母艦を港に綱で引いて戻さなければならない時のために、引き船が母艦にいつも同行している。また、 2009年には艦上の漏電から火事が起こり、乗組員の1人が死亡した。1カ月後に、海上で船に燃料補給したところ、島の沿岸部に大規模な石油流出を起こすことになった。

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2004年2月17日には、プーチン大統領がアクラ型原子力潜水艦のひとつであるアルハンゲリスクに乗船し、新たに開発された弾道ミサイルの試験発射を見学した。

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残念なことに、R-29RMU潜水艦発射弾道ミサイルは、技術的な問題により、原子力潜水艦ノボモスコフスクとカレリアからの発射に失敗した。プーチン大統領はその後、大至急その計画の見直しを防衛大臣に命令している。

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おそらく最近の中で、もっとも突飛な軍事事故が2013年に起きたものだ。ロシアのバルト海沿岸で日光浴を楽しんでいた人たちを驚かせたのは、人々のいる海岸線にのしかかるように、巨大な軍事用ホバークラフトが立ちはだかった時だった。ロシア海軍の広報担当者は、この演習のためにあの海岸は場所を空けてあるはずだったのにと言った。

[原文: The most spectacular Russian military failures of all time

(翻訳:日山)

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