木星を観測するNASAの探査機、ジュノー
NASA/JPL-Caltech
バスケットボールコートほどの大きさの木星探査機「ジュノー(Juno)」が、木星の最新の写真を撮影した。
2011年8月に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の10億ドル(約1100億円)のジュノー(Juno)は5 年をかけて、地球から4億1500万マイル(約6億6400万km)以上離れた木星の軌道に到達した。
ジュノーは今回、木星の北極と南極の撮影に初めて成功した。奇妙な雲の層や神秘的なオーロラを観測し、厚い雲の表面の放射能探査(スキャン)を行った。
ジュノーは、木星の強い放射線帯から電子機器を守るため、大きな弧を描いて繰り返し周回して、木星に近づく時間を最小限に抑えている。
NASAはジュノーの小型ロケットエンジンを昨年10月に噴射。木星に接近して通り過ぎながら、画像撮影を行う「フライバイ」の頻度を、2週間に1回に増やす予定だったが、エンジンバルブが原因で難航。2カ月に1回の頻度で実施している。
ジュノーは3月27日に5回目の周回を完了。新しい画像を撮影し、データを地球に送信した。アマチュア天文学者たちは、送られてきた未加工の白黒画像を色鮮やかな画像へと加工している。
5回目のフライバイで撮影したとっておきの画像数枚に加え、宇宙ファンがジュノーのウェブサイトに投稿した前回のフライバイの画像を以下で紹介する。
アマチュア天文学者のローマン・タカチェンコ(Roman Tkachenko)氏は木星の北極画像を、このように加工した。
NASA/SwRI/MSSS/Roman Tkachenko (CC BY)
NASA/SwRI/MSSS/Roman Tkachenko (CC BY)
別の宇宙ファンは、同じ画像をより緑色を濃く加工した。
NASA/SwRI/MSSS
木星の渦巻く雲の表面を拡大した画像。
NASA/SwRI/MSSS/Daiwensai-33 (CC BY)
この一枚は、謎に満ちた木星の南極全体の様子を示すために、ジュノーのフライバイで撮影した3つの画像を合わせたものだ。ガルバシオ・ロブレス(Gervasio Robles)氏が編集。
NASA/SwRI/MSSS/Gervasio Robles
ジェイソン・メイヤー(Jason Major)氏は、新しい画像データをアニメーションに変換し、木星の北極の拡大イメージを作成した。
3月27日、@NASAJuno の5回目の木星南極のフライバイのアニメーション
Source: Jason Major/Twitter
アマチュア天文学者たちは、これまでにジュノーが撮影した画像も加工している。これらの雲の表面の画像は全て、今年2月2日の4回目のフライバイで撮影されたものだ。
NASA/SwRI/MSSS/Uriel
NASA/SwRI/MSSS/Daiwensai-33 (CC BY)
NASA/SwRI/MSSS/Shawn Handran
NASA/SwRI/MSSS/Geoff Pritchard (CC BY)
ジュノーの次回のフライバイは5月19日頃になる見通し。
NASA/JPL-Caltech
しかし、ジュノーが永遠に飛行を続けることはない。
An illustration of NASA's Juno probe at Jupiter.
NASA/JPL-Caltech
NASAは2018年か2019年にジュノーを木星の雲に突入させる予定。そうすることで、地球の細菌が、エウロパやガニメデなど木星の衛星に広がることを防止する
アーティストによるエウロパのイメージ画。ぶ厚い氷によって隠された海から、水蒸気が噴出している。
NASA/ESA/K. Retherford/SWRI
[原文:NASA's $1 billion Jupiter probe just sent back breathtaking new images of the gas giant]
(翻訳:梅本了平)