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トランプ大統領は、非常に評判の悪い変な握手をすることで有名だ。
実際にインターネットで大きな話題になっている。相手の手を取り、近くまで引き寄せ、ポンポンと軽く2、3回たたいて、最後に手を上下に振って終わらせる、という大体の形が決まっている。
この握手の仕方には、何か意味があるのだろうか。単に長年の癖なのか、それとも力を見せつけるためにあえてとっている行動なのか。
Business Insiderは、トランプ大統領が最近交わした6回の握手について、ボディランゲージの専門家、パティ・ウッド(Patti Wood)氏に、それぞれの潜在的な意味を分析してもらった。
バラク・オバマ前大統領
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ウッド氏は、昨年11月10日のトランプ大統領とオバマ前大統領の握手は、「緊張を感じさせるものだった」と指摘した。 握手の間、2人はずっと守りの姿勢をとっていたように見えるという。
「これはお互いが全く信頼し合っていないことの表れです。握手のとき、トランプ大統領はオバマ前大統領の手を自分の方へ引き寄せ、自分がこれから主導権を握るのだという意思を示しました。彼らの表情を見ると、2人とも口をぎゅっと結んだままで、顎にしわが寄っていますね」
ニール・ゴーサッチ(Neil Gorsuch)最高裁判事
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1月31日、トランプ大統領はゴーサッチ氏を最高裁判事に任命した。判事のスピーチの後、2人は力強い握手を交わした。
「ゴーサッチ氏は、握手の間トランプ大統領と一定の距離を保とうとしている」とウッド氏は指摘する。ウッド氏によると、ゴーサッチ氏の頭の位置は、彼がトランプ大統領のすることを信じられないと思っていることを表しているという。
彼女は、トランプ大統領が相手の手を軽くたたこうとするのは、自分が主導権を握ろうとする表れだと読み解いている。
安倍晋三首相(日本)
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トランプ大統領と安倍首相が2月10日に大統領執務室で会見したとき、一瞬変な雰囲気が漂った。
20秒近くに及んだ握手の後、安倍首相は驚きと困惑が入り混じったような表情で顔をそらした。ウッド氏によると、トランプ大統領は最初、手のひらを上に向け、相手を受け入れるようなオープンな態度で手を差し出したが、安倍首相の手を取ると自分の方へ強く引き寄せた。
「トランプ大統領は想定外の行動をとるのが好きで、まさに安倍首相の反応はそれを物語っています」
ジャスティン・トルドー首相(カナダ)
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トルドー首相はトランプ大統領との2月14日の会談で、自分を力強く見せる努力をしたとウッド氏は分析した。
「彼の握手をしていない方の手が、トランプ大統領の左肩の外側をつかんでいるのが分かりますね」とウッド氏。しかし、トルドー首相の試みは中途半端だった。
「彼はさりげなく強さを示そうとしましたが、そのためには、トランプ大統領の肩を上から押さえつけるように手を置くか、せめてもう少し高い位置をつかむべきでしたね。トルドー首相の手が低い位置だったために、友好な関係を表す抱擁のようになってしまいました」
ベンジャミン・ネタニヤフ首相(イスラエル)
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2月15日の会談で、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領の長たらしい、強く引っ張ってくる握手を何とか避けたが、次の動作からは逃れることはできなかった。
トランプ大統領は、わざわざ彼に歩み寄り、背中をポンとたたいた。ウッド氏によると、トランプ大統領のこの行動は、ネタニヤフ首相に対し自分の優位性を確立するためだという。
アンジェラ・メルケル首相(ドイツ)
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トランプ大統領とメルケル首相は、彼女が3月17日にホワイトハウスに到着したときと、その後の共同記者会見で握手を交わした。しかし、話題の大統領執務室での会見では、トランプ大統領はメルケル首相の握手の申し出を完全に無視した。
ウッド氏はこう説明する。
「彼女が身を乗り出したのがわかりますね。その後、トランプ大統領が握手をしないと、困惑したように肩をすくめました。明らかにお互い向かい合って握手をするべきときに、彼は彼女から顔をそらし、受け入れようとしませんでした。トランプ大統領はカメラに顔を向けたまま、少し前のめりに座り彼女から顔を背けたままでした」
この一連のやり取りは、トランプ大統領の「相手を軽視した無礼な行為」であるとウッド氏は語った。
[原文:A body language expert breaks down 6 of Trump's handshakes]
(翻訳:時田雅子)