サムスン「Galaxy S8」のショートインプレッション、避けては通れない発火対策は?

サムスンのGalaxy S8

サムスンは最新のフラグシップモデル「Galaxy S8」と「 Galaxy S8+」を発表した。

Antonio Villas-Boas/Business Insider

サムスンの再起をかけた挑戦が始まる。

Galaxy Note 7の発火問題の対応に追われ、悲惨な7カ月間を過ごしたサムスン。同社の立て直しに向けた準備が整った。

3月29日水曜日(現地時間)、サムスンは最新のフラグシップモデル「Galaxy S8」と「 Galaxy S8+」を発表した。同社は新機種の華やかなローンチと多額の予算を投じたマーケティングキャンペーンに信頼回復の望みを託す。

ディスプレイ、デザイン

前モデルと同様にGalaxy S8は、現在購入できるスマートフォンの中で最も魅力的な機種の1つだ。同社が「Infinity Display」と呼ぶ「左右が曲面になったディスプレイ」が前面を覆い、上下に薄いベゼルがあるのみ。手に取ると本当に美しい。サムスンは、iPhoneよりも小さく、見栄えの良いボディに、より大きなディスプレイを搭載した。サイズは、S8が5.8インチ、S8+が6.2インチ。サムスンによると、前面の約83%を占める。

また、ボディは表裏ともシンメトリーになっているため、手にしたとき、より自然に感じる。大きなディスプレイにもかかわらず、比較的分厚いiPhoneやGoogle Pixelよりも持ちやすく、ポケットにもしまいやすい。

Galaxy S8とGalaxy S8+

左がGalaxy S8、右がGalaxy S8+

Antonio Villas-Boas/Business Insider

デジタルアシスタント

Galaxy S8のもう1つの重要な機能は、音声入力でS8を全てコントロールできると同社がアピールする「Bixby」だ。Bixbyは側面にある専用ボタンで起動するが、現時点ではサムスンのアプリや端末の設定に限られている。カメラを使って商品などをBixbyに認識させ、関連する情報を検索することもできる。

デジタルアシスタント「Bixby」

Galaxy S8のもう1つの重要な機能はデジタルアシスタント「Bixby」

Antonio Villas-Boas/Business Insider

メインスクリーンの左側(メインスクリーンを右にスワイプすると現れる画面)は、Bixbyの画面。ユーザーがよく使う情報が集められている。数年前からアンドロイドやiPhoneで利用できる「Google Now」とよく似ている。

同社は、いずれはサードパーティ製のアプリもBixbyからアクセス可能にし、Vivの機能を使えるようにする予定だ。VivはSiriの創業者らが立ち上げ、昨年サムスンが買収したAI開発企業。Bixbyを評価するのは時期尚早だが、同社が我々に見せてくれた初期版のデモンストレーションでは、あまり期待が持てるようには思えなかった。

ホームボタンの廃止

Galaxy S8の顔認識技術

Galaxy S8では顔認識でロックを解除できる。

Antonio Villas-Boas/Business Insider

Galaxy S8では、ホームボタンが廃止された。代わりにディスプレイの下部に(ホームボタンが)デジタル表示される。従来のアンドロイドスマホと同じように「ホーム画面に戻る」「前のページに戻る」などの操作が可能だ。ディスプレイ下部には感圧センサーが搭載されている。画面を押すと、実際にボタンを押したかのような感覚が返ってくる。

前シリーズでホームボタンに埋め込まれていた指紋センサーは、端末の裏面、カメラのすぐ横に設置された。

またGalaxy S8は、Galaxy Note 7で導入された虹彩認証機能も搭載している。端末のロック解除や鍵をかけたフォルダへのアクセスに使用でき、指紋認証よりも安全だと同社は述べた。

前面のカメラには顔認識技術が組み込まれており、カメラを使ってロック解除ができる。指紋認証や虹彩認証よりもかなり速いが、安全性はこれらの機能よりも低くなる。

デスクトップモード

デスクトップモード

専用ドックを使ってモニターに接続するとPCのように使える。

Antonio Villas-Boas/Business Insider

Galaxy S8は専用クレイドル「DeX」経由でモニター、キーボード、マウスに接続すれば、デスクトップPCのように使用できる。

「DeX」は別売り(価格は未発表)で、HDMIポート、USBポート、LANポートを備えている。Microsoft OfficeやAdobe Lightroomなどのアプリがデスクトップモード用に最適化されている。他のアプリにも対応する予定だ。

スマートフォンをデスクトップPCとして使用するという考えは新しいものではない。モトローラは何年も前に「Atrix」で試みた。また、マイクロソフトはWindows 10 Mobileに「Continuum」を搭載している。まだ成功を収めたメーカーはないが、今回、サムスンが挑むことになる。

発火しないか?

同社にとって、避けては通れない問題がある。サムスンは1月、今後発表する端末には新しい安全性チェックを行うと発表した。もちろんGalaxy S8も含まれる。安全性が証明されたわけではないので、実際にユーザーが購入し、使ってみるまで(何が起こるか)わからない。しかし、サムスンがむざむざと同じような大失態を繰り返すとは思えない。

その他

ヘッドホンジャック

もちろん、ヘッドホンジャックはある。

Antonio Villas-Boas/Business Insider

以上がGalaxy S8にはほかにもさまざまな特長がある。

  • 1200万画素のカメラと800万画素の前面カメラ
  • 64GBの内蔵ストレージ。MicroSDXC対応
  • 耐水性
  • 「Samsung Connect app」で対応するスマートホーム端末を操作可能
  • 有線および無線での高速充電
  • ヘッドホンジャック、充電やアクセサリ接続に使用できるUSB-Cコネクタ
  • 99ドル(約1万円)相当のハーマン・カードン(Harman Kardon)製イヤホン

価格はキャリアや小売店によるが、通常モデルで720ドル(約8万円)ほどになる見込み。

[原文:Here's Samsung's newest phone, the Galaxy S8 (SSNLF)

(翻訳:Wizr)

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