「ブレグジット後はパリを金融ハブに」ロンドンからの拠点移転を見越し誘致活発化

雪のロンドン

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イギリスのEU離脱(ブレグジット)に向けたプロセスが進む中、複数の銀行が拠点をロンドンからヨーロッパ大陸へ移す計画を発表する見通しだ。

パリをヨーロッパの金融ハブとすべくロビー活動を行う「パリ・ユーロプレイス」の責任者アルノー・ド・ブレッソン(Arnaud de Bresson)氏は「多くの国際的な投資銀行や資産運用会社が、ヨーロッパでの活動の見直しをこの数週間以内に発表するだろう」と言う。

ブレッソン氏は「大半(の銀行)はロンドンから動かないだろうが、EU市場の重要性を考え、拠点を移す銀行も現れるだろう」との見方を示した上で、フランス大統領選の結果次第ではパリへの移転は見送られるだろうと述べた。

イギリスのテリーザ・メイ首相は29日(現地時間)、EU離脱に向けた2年間のプロセスを進めるべく、リスボン条約50条を発動させた。

EUを離脱した後、イギリスは金融面でのパスポーティングの権利を失うとの見方が広がっている。イギリスの金融界にとっては、大きな打撃となるだろう。パスポーティングは、EU圏内の複数の場所でビジネスを行う際、圏内のいずれか1カ所で認可を受ければ、各地でそれぞれ受ける必要はないというルールだ。

ゴールドマン・サックスは先週、ブレグジットに先駆けて、数百人規模のスタッフをロンドンからパリへ動かす考えを表明。HSBCの幹部も今年1月、銀行業務の最大20%をパリへ移すと述べた。

ブレッソン氏は、「パリは貿易や資本市場活動にとって魅力的な都市であり、ブレグジット後のロンドンに代わる金融ハブとして、これまでに名前が挙がっているアムステルダムやフランクフルトなどに比べ、勝っていると」自信を示す。金融規制の面でもパリの金融街はこの5年で「大きく前進した」という。

「5年前のパリの金融規制はひどくて、魅力に欠けた。その後、当局が手続きの簡素化を進め、今では非常に魅力的かつ国際的なものとなっている」とブレッソン氏。パリの規制フレームワークは「国際水準に照らしてもトップレベルにあり、アムステルダムはもちろんフランクフルトよりも優れている」と語った。

ブレッソン氏は、パリ・ユーロプレイスは金融市場としてのヨーロッパの競争力を高めるため、ロンドンと協力するもので、対立するものではないと強調した。

「パリ・ユーロプレイスはロンドンと協働する。我々はヨーロッパ全体としての目的について、共通の認識作りのための委員会を組織している。ジョイント・パートナーシップを継続するだけでなく、今後もロンドンと共に働いていきたい。我々の共通の利益は、グローバルな世界でヨーロッパを競争力ある金融市場とすることだ」

[原文:More banks will announce Brexit relocation plans to Europe 'within weeks'

(翻訳:山口佳美)

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