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誰だってストレスに悩まされるときがある。最も一般的な原因は、仕事、人間関係、そして金銭問題だろう。
仕事が忙しいときは、ともすると集中力が低下しがちだ。それによって、さらに手付かずの仕事が山積みとなり、ストレスの悪循環に陥る。
大企業のCEOや創業者たちも、私たちと同じようにストレスフルな状況を経験している。そして全員が独自の方法でつらい時期を乗り越えてきた。
グローバルビジネスを経営する中でストレスと闘ってきた世界屈指の成功者たちから、疲れた心を解きほぐす方法を学んでみよう。
1. ビル・ゲイツ
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マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏の日課は、就寝前の読書。どんなに遅くなっても最低1時間は本を読むことを、シアトル・タイムズに明かした。
また、長年にわたって、ウォーレン・バフェット氏から多くの助言を受けてきたそうだ。Fortuneによるインタビューの中で、バフェット氏から物事をシンプルに捉えることを学んだと語っている。
「彼には物事を要約したり、本当に重要なことだけに取り組んだり、基本的なことを考え抜いたりする能力があります。あんな風にできるのは、非常に素晴らしいこと。特別な才能です」
つまり、細かいことを全てそぎ取れば、目の前にあるタスクに集中しやすくなるということだ。
2. ティム・クック
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アップルのCEOティム・クック氏は、グラスゴー大学から名誉学位を授与された際に、前向きに生きること、そして、人生に待ち受ける多くの雑音には耳を貸さないことを学生たちにアドバイスした。常に全ての意見を聞いていたら、非常にストレスフルな状況に陥りかねない。
「今の世の中は皮肉屋であふれており、私たちは彼らを無視する必要があります。さもなければ、それが心や思考のがんとなり、自分には無理だとか、人生はネガティブなものだと考えるようになってしまいます」
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3. メグ・ホイットマン
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メグ・ホイットマン氏はこれまで、P&G、eBay、そして現職のヒューレット・パッカードを含む複数の巨大企業で輝かしいキャリアを築いてきた。彼女はFast Companyによるインタビューで、フライフィッシングが大好きだと語っている。息子と一緒に、年に6回ほど楽しんでいるそうだ。
カリフォルニア大学マーセド校の研究によると、レジャーにはストレスを即時に緩和する効果があり、他にも健康上の利益があるという。アメリカ国立医学図書館による研究では、定期的なレジャー活動は、ストレスをはじめとするネガティブな感情のコントロールに役立つという。
4. ウォーレン・バフェット
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世界屈指の投資家ウォーレン・バフェット氏は多趣味だ。ウクレレを嗜み、生放送のニュース番組で演奏したこともある。
カリフォルニア大学マーセド校の研究では、楽器の習得のように精神的な刺激をもたらす活動はストレスの緩和に役立つことも判明している。
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5. シェリル・サンドバーグ
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FacebookのCOOシェリル・サンドバーグ氏にとって、大切なのは何をするかではなく、何をしないかだ。
夜は携帯の電源を切って、ソーシャルメディアを見たり、メールを読んだりするのを控えるようにしている。彼女はUSA Todayに対し、携帯の電源を切るのはつらいことだが、夜通し邪魔されないという利点があると語っている。結局のところ、夜に良質な睡眠をとることができれば、翌朝のストレスフルな状況にも楽に対応できるのだ。
夜遅くにPCや携帯の画面を見ることでもたらされる悪影響は、研究により証明されている。画面が放つブルーライトは、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を妨げてしまう。要するに、夜に画面を見る時間が少なければ少ないほど、体内時計が喜ぶというわけだ。
6. ジャック・ドーシー
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フォーブスのインタビューによると、Twitter共同創業者でCEOのジャック・ドーシー氏は、一度決めたスケジュールを守ることで膨大な仕事量に対応しているそうだ。
ドーシー氏は曜日によってタスクを分類するようにしている。月曜日は会議、火曜日は商品開発、水曜日はマーケティング業務、木曜日は人脈作り、金曜日は企業文化の構築、といった具合だ。土曜日は休みを取り、日曜日は採用活動を行っている。
「一般的に、想定外の出来事がストレスを生むのではないでしょうか。自分の活動にリズムをつけて、決まったやり方で、一貫性を持ってスケジュールを組むことができれば、ストレスは減らせるはずです」と彼は語っている。
ニューヨーク・マガジンによると、ドーシー氏は毎朝6マイル(約9.6キロメートル)のジョギングも日課にしているそうだ。
7. スーザン・ウォジスキ
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YouTubeのCEOスーザン・ウォジスキ氏にとって唯一のストレス解消法は、自身のために十分な休暇を取ること。NBCの情報番組「Today」に出演した際には、家庭生活にきちんと向き合ってから仕事に戻ることの大切さを語った。
「休暇を取ることは本当に重要だと思います。休むことによって、とても良い洞察力を得られることにも気づきました」
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8. イーロン・マスク
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2008年、世界経済は厳しい状況だった。自動車会社は次々と経営破綻し、テスラもまた悪戦苦闘していた。CEOのイーロン・マスク氏は当時、離婚も経験したという。しかしながら、彼は苦境を見事に乗り越え、その過程で冷静な判断を下すことができた。
その秘策は何だったのだろうか? マスク氏は2013年に開催された「Dublin Web Summit」で、全ての原因は恐怖心にあり、シリコンバレーの起業家たちは失敗を恐れていないだけだと説明した。
「恐怖は有限ですが、希望は無限です。たとえ失敗が怖くても、それが私たちの挑戦を止めることにはならないのです。不合理な恐怖は迷わず無視するべきです。もし理にかなった恐怖だとしても、賭ける価値があるのであれば、継続する価値もあるのです」
9. インドラ・ヌーイ
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ペプシコのCEOインドラ・ヌーイ氏は、若くして自信と労働倫理を身に付けた。彼女の母親は毎晩の夕食の席で、娘たちに「もし首相か大統領だったら何をしたいか」というテーマでスピーチを書くという挑戦を与えた。毎日異なる世界的な指導者になりきるよう課題を出され、母親が姉妹のどちらかに投票していたそうだ。
カリスマ的な裁判官だった祖父も、ヌーイ氏に自信を持たせてくれた1人だ。もし何かできないことがあったときには、紙に「私は言い訳しない」と200回も書かされていたという。
こういったことが功を奏して、輝かしいキャリアを築いたヌーイ氏は、ストレスを感じたら自分にできる全てのことを思い出すようにしている。
「私は心の中でこう言うのです。『私は他の誰よりもうまくできる。もし他の全ての手段がうまくいかなかったら、彼らは私に『どうにかしてくれ』と頼ってくるはず。だって、私にはそれほどの力があるのだから。忘れないで、私はインドの大統領にだってなれるはずなのだから!』」と彼女はBusiness Insiderに語った。
10. ジェフ・ベゾス
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「私のストレス解消法は、たくさん笑うことです」とアマゾンの共同創設者ジェフ・ベゾス氏はAcademy of Achievementによるインタビューで答えている。
ベゾス氏いわく、無視すべきでないものを無視している状態が、ストレスの大きな原因なのだという。
「ストレスの主な原因は、少しでもコントロールできることに対して、アクションを起こしていない状態です。問題を認識したらすぐに、電話をかけるなり、最初のメールを送信するなり、それが何であれ、その状況に対してアクションを起こし始めるのです。その事実だけで、たとえ問題が解決していなくても、ストレスを劇的に軽減することができます」
言い換えれば、問題を認識し、コントロールして、前進せよ、ということだ。
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[原文:How 10 highly successful people manage stress]
(翻訳:Thumper Jones)