Flickr/Erich Ferdinand
2017年のノーベル文学賞が日系イギリス人作家カズオ・イシグロ氏に決まった。同氏の代表作『日の名残り』(原題『The Remains of the Day』)は、アマゾンCEOジェフ・ベゾス氏のおすすめの1冊。
受賞を記念して、4月下旬に公開した記事の再掲版をお届けする。
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読書は新しい情報を仕入れたり、独創的なアイディアを思いついたり、私生活や仕事を改善できる有益な術を学ぶのにとても良い方法だ。世界トップクラスのビジネスリーダーの中に熱心な読書家がいるのは不思議なことではない。
フォーチュン500に入る企業や成功しているスタートアップのCEOたちは、最前線でプロジェクトに取り組んだり、新しい事業を築き上げたり、チーム全体を管理しながらも読書をしている。そんな多忙を極める彼らでさえ読書する時間を見つけているのだから、私たちが読書できない理由なんてあるだろうか?
今回は、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなど、著名CEO10人のそれぞれのお気に入りの1冊を紹介する。
ジェフ・ベゾス: 『日の名残り』(原題『The Remains of the Day』)
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アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾス氏はかつて、ノンフィクションよりもフィクションの方が学ぶことが多いと語ったことがある。
ノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人作家カズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro)氏が、第二次世界大戦後のイギリスに生きた、ある執事を描いたこの小説はベゾス氏の愛読書の一つだ。
ソース: Business Insider
ビル・ゲイツ: 『ライ麦畑でつかまえて』(原題『The Catcher in the Rye』)
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マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、このJ・D・サリンジャーの古典的名作を十代の頃から愛してきた。
Academy of Achievement(青少年が著名人に会う機会を作るアメリカの非営利団体)とのインタビューで「私が実際に初めて読んだのは13歳の時なんだけど、それ以来ずっとこの1冊を私のお気に入りだと言い続けてきた。とても巧妙な作品なんだ」と述べている。
スティーブ・ジョブズ: 『イノベーションのジレンマ —— 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard Business School Press)』(原題『The Innovator's Dilemma: The Revolutionary Book That Will Change the Way You Do Business』)
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この本は世界で最も尊敬される企業家の一人である、スティーブ・ジョブズ氏に深く影響を与えた一冊だ。
また、この作品は現代で最も大きな話題を巻き起こした書籍の一つで、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズやビジネスウィークの書評でも絶賛された。
ソース: Harper Collins
ティム・クック 『タイムベース競争戦略 —— 競争優位の新たな源泉 時間』(原題『Competing Against Time: How Time-Based Competition is Reshaping Global Markets』)
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アップルのCEOであるティム・クック氏は、この本を彼の同僚や新入社員に配っているという。
例えアップルで働いていなくとも、効率よく働くことの重要性を説くこの一冊は、読者の日々のタスクの効率化を促進し、キャリアの前進に役立つだろう。
ソース: AOL
マーク・ザッカーバーグ: 『最底辺のポートフォリオ —— 1日2ドルで暮らすということ』(原題『Portfolios of the Poor: How the World's Poor Live on $2 a Day』)
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FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は自ら立ち上げた読書会「A year of Books」で、23冊の本を最近推薦した。
この1冊は、同リーディングリストで取り上げられた。
ソース: Business Insider
イーロン・マスク: 『Benjamin Franklin: An American Life』
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イーロン・マスク氏はスペースXやテスラ・モーターズなど、多様な大企業を経営するブレーンだ。
そんなマスク氏が彼と同様に、さまざまな分野で成功を収めたベンジャミン・フランクリンについての本を好むのは自然なことだ。
ベンジャミン・フランクリンはアメリカ合衆国の父の一人であり、作家、発明家、科学者、外交官など多様な分野で活躍した。
この一冊はそんなベンジャミン・フランクリンの生涯を記録している。
ソース: Inc.com
インドラ・ヌーイ:『あなたの人生の意味 —— 先人に学ぶ「惜しまれる生き方」』(原題『The Road to Character』)
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ペプシコのCEOであるインドラ・ヌーイ氏は、この一冊を2015年に同氏に最も影響を与えた本の1つと評した。
フォーチュンとのインタビューで、「なぜ内なる人格を築き上げることが、キャリアを築き上げるのと同じくらい重要なのか。この本は、そんなトピックについて、二人の娘との間で素晴らしい議論を交わすきっかけをくれた」とヌーイ氏は述べた。
ソース: Fortune.com
ジェームス・ゴーマン:『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(原題『Tinker, Tailor, Soldier, Spy: A George Smiley Novel』)
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モルガン・スタンレーのCEOであるジェームス・ゴーマン氏は、『ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち: ボートに託した夢』に加え、スパイ小説を好む。
ソース: NY Daily News
メラニー・ウィーラン『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』(原題『The Happiness Advantage』)
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どんな事業であろうと、成功するにはポジティブな企業文化が不可欠だ。
Soul Cycle(フィットネスチェーン)のCEOであるメラニー・ウィーラン氏はこの一冊に感銘を受け、同社全体にとって非常に参考になると述べている。
ソース: Fortune
リチャード・ブランソン『歌え、翔べない鳥たちよ』(原題『I Know Why the Caged Bird Sings』)
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ブランソン氏が経営するヴァージン・グループのウェブサイトには、彼が推薦する図書リストがあり、そこには『 かいじゅうたちのいるところ 』(原題『Where the Wild Things Are』)や『 ホビットの冒険 』(原題『The Hobbit』) やこの作品が挙げられている。
ちなみに、この作品はビル・クリントン元大統領の愛読書の1つでもある。
ソース: Virgin
[原文:10 books that famous CEOs loved reading]
(翻訳:Yuta Machida)