GitHubの共同創業者クリス・ワンストラス CEO
Flickr/by DaveFayram
マイクロソフトは3月31日(現地時間)、2006年に立ち上げたソフトウエア開発のためのオープンソースプロジェクトホスティングサービス「CodePlex」を12月15日で閉鎖すると発表した。
プログラマーがコードを共有し、改良できるCodePlexは、マイクロソフトがオープンソースソフトウエアの世界へ踏み出した大きな一歩だった。当時のマイクロソフトは、Linuxを含むオープンソースソフトウェアを脅威と見なしていた。
マイクロソフトのクラウド開発者担当副社長、ブライアン・ハリー(Brian Harry)氏は公式ブログで、CodePlexの閉鎖の理由として、オープンソースプロジェクトのほとんどが「GitHub(ギットハブ)」へ移行していることを挙げた。企業価値20億ドル(約2200億円)のスタートアップ「GitHub」(*)は、2008年の創業時は目立たない存在だったが、今では「プログラマーのためのFacebook」と呼ばれるまでに成長した。
ハリー氏もブログで「現段階ではGitHubが事実上の標準となっている」と述べた。
ハリー氏が認めているように、マイクロソフト自身もGitHubへ移行している。2016年9月時点のGitHubのデータによると、マイクロソフトはFacebookを抜いて、GitHubで最も多くのオープンソースソフトウエアを共有する企業となっている。
マイクロソフトはCodePlex閉鎖後も、ソースコードの閲覧機能などの提供を続けていくとしている。
グーグルも2015年に、同様の理由でプロジェクトホスティングサービス「Google Code」を閉鎖している。つまり、GitHubはグーグルとマイクロソフトを、長く地道な戦いで打ち破った。そしてマイクロソフトは、もはや技術を全て自社でカバーしようとするのではなく、他社の優れた技術を進んで採り入れる企業になったようだ。
*GitHub:バージョン管理ツール(Git)に、チーム開発に適した機能を付け加えたサービス。
[原文:$2 billion startup GitHub has officially won over Microsoft]
(翻訳:Tomoko A.)