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「抗議」にはどう対処する? Bリーグ初の「プロ審判」に、冷静なジャッジを下す秘訣を聞いた

| ライフスタイル

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「スポナビライブ」は2018年2月13日をもって全ての新規申し込み受け付けを終了し、2018年5月31日をもってサービス終了いたします。

ライフハッカー[日本版]より転載(2017年12月27日公開の記事)

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Photo: 廣田達也

スポーツにおいての主役は、もちろんプレイする選手たち。華麗なプレイに心が躍りますよね。

でも、彼らと同じくらい重要なのが審判。審判のジャッジ1つで、試合の流れが変わってしまうこともあります。決して目立つことはありませんが、なくてはならない存在です。

試合の中では黒子に徹し、常に冷静で、無感情にも見える審判たち。彼らはどのような心境で試合に臨んでいるのでしょうか?

審判の視点を知ることで、よりスポーツ観戦が楽しくなるはず!と考えたライフハッカー[日本版]では今回、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ(B.LEAGUE)」の審判を務める、加藤誉樹(かとう・たかき)さんにインタビューを行いました。

冷静に試合をジャッジする秘訣とは?ミスジャッジや抗議があった時はどう対応するのか?などなど、気になる疑問をぶつけてみました。


日本初! バスケットボールの"プロ"審判

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Photo: 廣田達也

今回お話を伺った加藤さんは、公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)初の公認プロフェッショナルレフェリー。

現在、日本でただ一人のバスケットボールのプロ審判です。加藤さんは、大学2年生のときに怪我のためバスケットボールの選手の道を断念。その後、大学バスケットボール連盟(学連)で審判部に所属しました。

当初は審判志望ではありませんでしたが、高校生の練習試合の審判をやったことをきっかけに本格的に審判の道へ。大学院卒業後、銀行員として働きながら審判を続け、2014年にはS級ライセンスを取得。Bリーグをはじめ、 19歳以下のワールドカップの決勝戦や、欧州選手権の準々決勝を担当するなど、国内外で活躍しています。

── 2017年9月、加藤さんは初めてのJBA公認プロ審判になられたわけですが、プロになる前と比べ、明確に変わったことは何でしょうか。

フルタイムでバスケットボールのことを考えられるようになったことですね。

しかし、働きながら審判をやっていたときも、手を抜いていたというわけではありません。試合にしっかりと備えるという点では、意識的には大きく変わってはいませんね。

── バスケットボールの審判になるには、どのようなプロセスがあるのでしょうか。

JBAが認定するバスケットボールの審判はライセンス制になっており、S級A級B級C級D級E級の6つのライセンスがあります。

そして、国際審判は国内ではS級ライセンスに属します。E級は、eラーニングで学ぶことで取得が可能で、ミニバスケットボールなどをやっているお子さんを持つ保護者の方など、幅広い皆さんが取得しています。

ライセンスが上がると、担当できる試合の規模が大きくなります。たとえばS級およびA級の審判は、トップリーグを担当できます。C級では都道府県大会、B級ではブロック大会を担当できます。


試合前の分析は欠かさない。審判の1日スケジュールは?

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加藤さんが主審を務めた、Bリーグ 11/19 第9節 富山グラウジーズvs. 川崎ブレイブサンダース戦。審判は3人制で試合を担当する Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部 via スポナビライブ

── 試合がある日の加藤さんのスケジュールを教えてください。

例えば2試合を1節として行われるBリーグの試合の場合、まず主審1人と副審2人の計3人で前日に現地入りします。

初戦当日の朝9時ごろ、副審の方2人に私の部屋に来ていただいて、ミーティングを始めます。パソコンをテレビにつないで、大きな画面でパワーポイントの資料や、前節や以前の同じ対戦カードの動画からポイントとなる部分をクリッピングしたものなどを観ます。

また、試合時点での両チームの順位や、この試合の勝敗が優勝争いにどう影響してくるかなどの状況、これまでのシーズンの平均得点や、得点の多い選手の傾向などのチェックを行います。

例えば得点の多い選手は厳しくマークされることが予想されるため、そこでコンタクトが生じた場合に、どの審判が確認するのが一番的確かといった議論も行います。

時間にすると、だいたい1時間半から2時間ほどです。その後、早めに会場入りして、注意点を再確認してから試合になります。

各チームがさまざまなデータを分析して試合に臨むように、審判もより良いゲーム運営につなげるために分析をした上でゲームに挑みます。

── 試合が終わった後はどうしていますか?試合が終わったら食事や入浴を済ませて、またホテルの私の部屋に副審2人に来ていただいて、その日の試合の映像を確認します。 普通に観ても1時間半くらいかかりますが、気になるところは繰り返しスロー再生などを行なってチェックをしますので、2時間以上かかりますね。

一方で体を休めることも大切ですので、できる限り日付が変わる前には解散できるように心がけ、次の日の試合に臨みます。

── 試合のない平日はどんな感じでしょうか。月曜から金曜の間に、だいたい10試合くらいの映像をチェックします。チェックするのは、前の節に自分が担当した2試合、副審2人が担当した前節の試合が4試合、あとは次節に担当するホーム側の前節2試合、アウェー側の前節2試合となります。

この映像を観て、次節のミーティング用に資料作成をしたり、映像をクリッピングしたりという作業を行っています。


目の前で起こったことをそのまま冷静にジャッジする

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Photo: 廣田達也

── かなりの準備をしてから試合に臨まれているのですね。実際、試合中に冷静なジャッジをするために気をつけているところはなんでしょうか。

先ほどお話ししたように、我々審判も各チームと同じようにさまざまなデータを分析しています。その一方で、先入観に囚われないようにすることも大事だと思っています。

予備情報を頭に入れておくことは重要なのですが、その情報によってジャッジが偏ってしまってはいけません。予備情報を頭に入れつつも、コートに立ったときには目の前で起こったことを冷静にジャッジするということを心がけています。

── ときにはミスジャッジをしてしまうということもあると思います。そのようなときはどう対応するのでしょうか。

人間なので、どうしても完璧というわけにはいきません。試合後に、あの場面ではこのように対応できればよかったというようなことは、ミーティングの課題として話し合います。

そうすることで、次の日によりよいジャッジができるように心がけています。


選手・コーチとの積極的なコミュニケーションが信頼につながる

── 試合中に、ジャッジについて選手やコーチから抗議されるということはありますか?私の場合、自分から話しかけることも多いですね。理解が異なることですれ違ってしまうのは、お互いのためによくないので、選手が何故そう思ったのかということに耳を傾け、自分が見たままを伝えるようにしています。

こちらの「何か疑問があれば応えます」という姿勢をコーチや選手に感じてもらうことで、大きなアピールに発展する前に理解を深められるように努めています。

── 選手やコーチとコミュニケーションを取る上でコツはありますか?

フリースローのときなどは、ベンチの前に立つ審判が1人いるのですが、そのときに私はベンチに近い位置に立つことがあります。1歩か2歩ベンチ側に寄って立つことで、いいコミュニケーションが生まれて、それがいいゲームコントロールにつながるというアドバイスを、国際バスケットボール連盟(FIBA)の方からいただいたことがあります。

コーチに呼ばれて話しかけられるのではなく、自分が近くに立っていることで、コーチ側からも話しかけやすくなる状況を作るということです。 そこでコーチの方から「さっきのどうでしたか?」というようにコミュニケーションが始まれば、より良い形で会話が進むと考えています。

── 意外と試合中にコミュニケーションを取っているものなのですね。

選手やコーチと積極的にコミュニケーションを取ることで、「この審判は判定を押しつけるのではなく、話を聞いてくれるんだ」と思ってもらうことが、結果として信頼につながるのではないかと思っています。


「ゲームの終わり」に向かって正しく進めるのが審判の役目

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Photo: 廣田達也

── 審判として、常に心がけていることはありますか?私は、チームと審判は一緒にゲームをいいものにしていく、パートナーであると認識しています。どちらのチームにも平等で、敵ではないという姿勢は常に持つようにしています。

よく試合をコントロールするのが審判だと言われます。我々もゲームコントロールとよく言っていますが、日本人の抱くニュアンスとして、「コントロール」というと「操作」することのように思われがちです。しかし、我々が言うコントロールというのは、操作というよりも「制御」に近いところがあります。

ゲームが正しい方向に進むようにして、外れてしまったらその都度修正し、ゲームのエンディングに向かって正しく進めていくのが審判の役目です。ゲームの前には、審判3人と両チームのキャプテンでミーティングを行うのですが、そのときに私は「タフなゲームは大歓迎ですが、ラフにならないようにキャプテンのお二方もご協力お願いします」とお伝えします。

端的に言えば、ゲームの終わりに向かって、ルールに基づいてフェアに進んでいくことを目指すというのが、ゲームコントロールということ。それが我々の役目だと思っています。


空中戦に疾走感。それがバスケットボールの魅力

── 加藤さんが思うバスケットボールの魅力はどんなところでしょうか。

空中戦があることですかね。

バスケットボールはゴールが3m5cmの高さにあります。そこにボールを入れるために、長身で身体能力も優れた選手たちが高く飛び上がる姿は、とても迫力があります。ほかのスポーツと比べて、かなり立体的なのが特徴だと思います。

また、千葉ジェッツふなばしに所属する富樫勇樹選手のように、スピード感がある選手が多いところも魅力だと思います。 会場に足を運んでいただいたときには、高さや速さといった臨場感を感じていただければと思います。

また、映像でご覧いただくときには、さまざまなカメラアングルで観られます。例えば、ダンクシュートの迫力あるシーンをゴール下から観るということもできます。そういったところをリプレイで楽しんでいただきたいですね。


スポナビライブならBリーグ全試合ライブ中継で楽しめる

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Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部 via スポナビライブ

加藤さんにお話を伺ってみると、審判という存在なくしては、スポーツは成立しえないと改めて思いました。インタビュー中にも「ゲームコントロール」というワードが登場しましたが、プレイをしている選手以上に、試合を作り上げる役目を担っているのが審判なのでしょう。

特にバスケットボールは、スピードがありコンタクトも多いスポーツ。瞬間瞬間の判断でジャッジを下さなければならないという点においては、ほかのスポーツよりも審判の試合における重要度は高いかもしれません。

このインタビューを読んで「バスケットボールが観たい!」と思った方は、まずはスポナビライブで楽しんでみてはいかがでしょうか。

スポナビライブならば、BリーグのB1、B2ともに全試合ライブ中継を行っています。また、見逃し配信も行っているので、あとで気になるチームの試合をチェックするということも可能です。

しかも、パソコンスマホタブレットに加え、ChromecastApple TVAmazon Fire TVFire TV Stickを使ってテレビでの視聴にも対応。大画面で迫力のあるプレイが楽しめます。

月額料金は1,480円。ソフトバンクユーザー、Yahoo!プレミアム会員は月額980円で利用可能です。

新規ユーザーは初月無料ですので、まずはお試しで入会してみるのもいいかもしれませんね。

現在、Bリーグはシーズン真っ最中。選手の華麗なプレイを楽しむのはもちろん、審判の動きにも注目してみると、さらにバスケットボールが楽しくなることでしょう。

会場で生の迫力を楽しむのもよし、スポナビライブでじっくり楽しむのもよし。バスケットボールで熱い冬を過ごしましょう!


Photo: 廣田達也Screenshot:

ライフハッカー[日本版]編集部 via スポナビライブ

Source: スポナビライブ


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