アメリカの債券市場は「嵐の前の静けさ」、ソシエテ・ジェネラル予想

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フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルは『眠れる野獣』と題した顧客向けの文書で「債券市場の状況は変わる」と述べる。

REUTERS/Buddhika Weerasinghe

アメリカの債券市場には最近、目立った動きがない。静か過ぎる。

「嵐の前の静けさだ」。フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)の債券担当者は語る。

「債券の投資家にとって、春は厳しい状況になるだろう。アメリカの経済状況が改善、ヨーロッパの政治危機も安定し、市場は中央銀行の動きに注目するからだ」と同銀行は3月30日(現地時間)、『眠れる野獣』と題した顧客向けの文書で述べた。

アメリカの大統領選の結果を受け、市場はトランプ大統領の保護貿易政策、減税、規制緩和、大規模なインフラ投資などがインフレを招くと予想。選挙後の数週間で10年国債の利回りは80ベーシスポイント(0.8%)上昇し、2.46%となった。

しかしここ数カ月は、トランプ大統領の政策の先行きの不透明感から、利回りは35ベーシスポイント程度しか動いていない。

「間もなく状況は反転すると予想している。特に、大統領の政策が議会を通過する可能性が高まれば状況は変わるだろう。短期国債は季節要因を反映した動きをしており、過去5年の動きから推測すると、4月中旬に10年国債は一度底を打つ」

10年国債の利回り

短期国債は季節要因を反映した動きをしており、過去5年の動きから推測すると、4月中旬に10年国債は一度底を打つ。

Business Insider/Andy Kiersz, data from Bloomberg

同銀行の見解では、この低迷は債券トレーダーが今後の金利上昇を確信した際に終わる。同銀行は、(FRBの)金利引き上げは続くと予想している。

「トランプ大統領の就任に伴うインフレは徐々に収まりつつあるが、FRBは、引き上げ幅は未定だが、今後2〜3回の金利引き上げに傾いている」

3月の金利引き上げに伴って公開された文書の中で、連邦公開市場委員会(FOMC)も、2017年に3度、金利が引き上げられるとの見通しを示した。この見通しは、ここ数週間の連邦準備理事会の強硬派メンバーの発言からも裏付けられる。複数のメンバーが2017年にさらに2回の金利の引き上げを行うと繰り返し発言しており、サンフランシスコ連銀総裁のジョン・ウィリアムズ(John Williams)氏は、3月29日、さらに連邦準備銀行は3回以上の金利引き上げを行うかもしれないとの見通しを示した。

ブルームバーグのデータによると、市場関係者は、金利引き上げは60%の確率で6月以降に行われると予想している。さらに、55.8%の確率で少なくとも2度の金利引き上げが2017年末までに行われると予想している。

ソシエテ・ジェネラルによると、仮に全ての予想が実現した場合、10年国債の利回りは3.10%上昇するという。

しかし、注意すべきことがある。予算案の不成立などによる政府機関の閉鎖だ。ソシエテ・ジェネラルは、閉鎖の危険性は下がったが、完全になくなったわけではないと述べる。また、万一、閉鎖されれば、10年国債の利回りは2.25%を下回る可能性があるとのことだ。

[原文:A 'sleeping beast' in the markets is about to be unleashed

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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