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- グーグルは、広大な本社での社員の移動のために、社用シェア自転車を導入している。
- だが同社が位置するカリフォルニア州マウンテンビューの住人は、グーグルの自転車を自分たちのものと考え、毎週100~200台もの自転車が無くなる事態となっている。
- グーグルは防止策を打ち出した。30人の専門スタッフを雇用して、周辺地域から自転車を回収、さらにGPSトラッカーや鍵などの手段もテストしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
グーグルは、広大な本社の移動用に社用シェア自転車を導入するなど、ユニークな社員特典でアメリカ企業とシリコンバレーを変えた。
だが、シェア自転車はグーグル本社が位置するカリフォルニア州マウンテンビューの住人にまで広がってしまい、同社は自転車をどこまで「無料」とすべきか頭を悩ませている。ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
同社はカラフルな「Gbikes」1100台のうち、毎週100~250台が無くなっていると推定しており、被害台数を削減するための取り組みをスタートさせた。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、対策の1つとして、30人の専門スタッフと5台の専用ワゴンを使って、周辺地域から自転車を回収する。
さらに、一部の自転車にGPSトラッカーや、社員だけがスマートフォンで解錠できる鍵を取り付けるなどの対策もテストしている。
グーグルは社用シェア自転車を2007年に導入、2009年にグーグルカラーで彩られたカラフルな自転車に切り替えた。
2015年までには、シェア自転車は企業内の取り組みから、世界を変えるものとなった。同社は自転車に優しい街づくりに500万ドル(約5億6000万円)を提供、マウンテンビュー当局と協力し、コペンハーゲンのように自転車で移動しやすい道路の整備を行った。
だからマウンテンビューの住人が、自転車をGoogleからの「友情の証」と受け取ったとしても不思議ではない。
マウンテンビュー市長、ケン・ローズンバーグ(Ken Rosenberg)氏は、グーグル本社での会議の後、自転車を使ったとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。また、マウンテンビューの住人で68歳のシャロン・ビーチ(Sharon Veach)氏は、オラクルへの通勤に時々使っていたと語った。グーグルのライバル企業だ。
ビーチ氏は、自転車は「バス問題に対する、我々への報酬」と同紙に述べ、同社がサンフランシスコやその周辺に住む社員の通勤用に使っている数百台のグーグル・バスについて指摘した。
[原文:Google has hired 30 employees to try and stop locals from stealing its bikes in droves]
(翻訳:梅本了平/編集:増田隆幸)