木星の雲の上を飛ぶ、NASAの木星探査機ジュノー(イラスト)。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin Gill
NASAが10億ドル(約1100億円)を投じ、開発した木星探査機「ジュノー(Juno)」は2017年12月16日(現地時間)、その10度目の高速周回の旅を終えた。
ジュノーは時速最高13万マイル(約21万キロメートル)で旅をしながら木星に接近、搭載された可視光カメラ「JunoCam」で約53日ごとに新たな画像を撮影する。
画像の受信には数日から数週間を要することもあるが、待つだけの価値はある。最新の画像は渦を巻く、幻想的な雲や嵐の姿を捉えている。
NASAやサウスウェスト・リサーチ・インスティテュート (Southwest Research Institute)の研究者たちは12月、彼らのウェブサイトに未加工の画像データをアップした。以来、多くの人々が白黒画像を、カレンダーにもなった、鮮やかなカラー画像に加工してきた。
「最高に美しい。だが、近づきすぎると命を落とす」NASAの画像を定期的に加工しているイギリスのグラフィック・アーティスト、ショーン・ドラン(Sean Doran)氏は、最新画像について、そうツイートした。
ドラン氏やその他のジュノー・ファンたちがJunoCamのデータをもとに作った、最新の画像と動画をいくつか紹介しよう。
NASAがジュノーを打ち上げたのは2011年、木星までは約5年かかった。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran
ジュノーの周回軌道は木星から遠く離れている。接近するのは、ほんの一瞬だ。こうすることで、電子機器が木星の強い放射線にさらされるのを最小限に抑えている。
木星の南温帯縞。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin Gill
JunoCamは、53.5日の周期のうち「近木点」を通過するときに、新たな画像を記録する。
木星の南熱帯。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin Gill
ジュノーは、木星の北極と南極、両極の上空を飛んだ唯一の探査機だ。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran
研究者らは、ジュノーが10度目の近木点で捉えたような、木星の乱雑に渦巻く極雲の構造を解明しようとしている。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran
その数多くの帯状の雲のかたまりは、科学的にも謎だ。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Seán Doran
木星の一部の嵐は、地球よりも大きい。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran
JunoCamが捉えた画像のフル・セットがこちら。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin Gill
これらをつなぎ合わせ、タイムラプス動画にしたファンもいる。
NASAは、ジュノーが少なくともあと2、3年は木星の周回を続け、新たな素晴らしい写真を送ってくれることを期待している。
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt
[原文:NASA's $1 billion Jupiter probe has taken mind-bending new photos of the gas giant]
(翻訳:Ito Yasuko/編集:山口佳美)