アマゾンCEOジェフ・ベゾス氏。
Drew Angerer / Getty Images
- PCメーカー数社は、今年発売予定のPCではアマゾンの音声AI「Alexa」をサポートすると発表した。
- これらのPCには、特殊なハードウエアが組み込まれ、Alexaの反応時間を短縮し、音楽が大音量で流れているような環境でも円滑な音声認識が行えるようになる。
- 今回の動きは、Alexaをあらゆる場所、あらゆるデバイスに組み込みたいと考えるアマゾンの目標を象徴している。
アマゾンは音声AI「Alexa」をあらゆるモノに組み込もうとしている。
Fire TVやEchoスピーカーに始まり、Alexaは今やあらゆるガジェットやコンピューターに入り込もうとしている。アマゾン以外のメーカーの製品にも広がっている。
1月9日からラスベガスで始まったCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、複数のPCメーカーが、今年発売予定のPCではアマゾンの音声AI「Alexa」をサポートすると発表した。アマゾンエコーと同様のハンズフリーでの操作が可能となる。
昨年、アマゾンはマイクロソフトと提携し、Alexaとマイクロソフトの音声AI「Cortana(コルタナ)」がWindows 10を搭載したPC上で「互いに会話」し、連携して使えるようにすると発表した。だが、アマゾンの広報担当者によると、今回の新たなAlexaのPCへの搭載はマイクロソフトとの契約とは無関係だ。
HPは、宇宙船のようなPavilion Wave PCはAlexaをサポートすると発表。またAcerは「2018年の第1四半期からAspire、Spin、Switch、Swift、AspireのオールインワンPCの一部でAlexaを採用する」と発表した。AsusもZenbook、VivobookでAlexaをサポートする予定と発表した。
こうした新製品の一部、例えばAcer製品には、特殊なハードウエアが組み込まれ、Alexaの反応時間を短縮し、音楽が大音量で流れているような環境でも円滑な音声認識を実現する。ただしこれらのPCは、今年後半に新たにリリース予定のWindows 10用のAlexaアプリを使用する。
どれほどのユーザーがこれらのWindows PCに魅力を感じるかは未知数だが、アマゾンにとって、HP、Acer、AsusがAlexaを積極的にサポートすることは幸先の良い話だ。グーグルやアップルも音声アシスタントの拡大に取り組んでいるが、アマゾンはAlexaを組み込んだハードウエアを増やすことでリードを保っている。
電球、オーブン、掃除機など、すでにAlexaはさまざまなデバイスに搭載されている。だが、日常的にWindows PCを使用しているユーザー数を考えると、Windows 10との連携は大きな意味を持つ。これらのPCはAlexaの知名度をさらに高め、アマゾンのエコシステムにより多くの人を取り込むだろう。
[原文:Amazon is making a major play for Windows PCs]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:増田隆幸)