REUTERS/Kim Kyung Hoon
晴れ着のレンタル・販売業者「はれのひ」で手配した振袖が、成人の日の着付け会場に届かず、連絡も取れなくなっている問題。フリマアプリ「メルカリ」などに大量出品されている振袖が、トラブルと関連があるのではないかと、Twitter上で注目が集まっている。
メルカリは原則、法人は出品できないが、「(あるアカウントの出品の)数が多すぎる」「(アカウントの中のマイナス評価に)商品が間違ったもので、返品の際に、住所がデタラメというような内容」とユーザーが怪しく思い、はれのひとの関連が疑われた形だ。
またTwitterでは、楽天のフリマアプリ「フリル」、ヤフーのオークションサービス「ヤフオク!」でも、同じような出品があったのでは、というつぶやきもある。
メルカリは1月10日、ホームページで「一部報道について」と題して、リリースを公開した。
一部報道において、メルカリ上で『振袖』を複数出品しているアカウントが『はれのひ』の関係者ではないかという憶測がなされておりますが、現時点でそのような事実は確認されておりません。なお、インターネット上でその関連性が指摘されている該当アカウントにつきましては、『はれのひ』との関係性の有無にかかわらず、法人利用の禁止という利用規約違反の疑いがあるため出品中の商品を一時的に非公開とし、商品の入手先や本人確認を行っております
メルカリは、2017年に盗品が出品された事件を受け、盗品対策を強化。カスタマーサポートが24時間体制で監視しているが、今回のような規約違反にあたる法人出品の状況を認識できていたのか。
NHKの10日午前6時の報道によると、メルカリには、ある出品者のページで、約2カ月前から振袖や帯、草履など70品以上が出品されおり、多くは買い手がついていたが、9日午後6時半すぎまでに、当該ページから商品の画像がすべて消されていたという。
Twitter上では、メルカリがもつ利便性の一方、潜在的にこうしたことが起こる得る可能性を排除できないサービス運営の難しさへの指摘もある。
Twitterでは、一時、「振袖の大量出品」という趣旨のキーワードがトレンドワードになった。
メルカリでは2017年、茨城県水戸市の男性ら3人が盗品の硬式ボールを販売するなど、不正出品が発生した。現金の不正出品もあり、同社では12月上旬、盗品を含む、不正出品を防止するため、本人情報の登録を追加し、仕様を変更した。初回の出品時に本人情報(住所・氏名・生年月日)を登録、本人情報と売上金の銀行口座の名義が一致しない場合は、売上金が引き出せなくするなどの対策を講じている。
出品状況のモニタリングは、250人以上のカスタマーサポートが24時間体制で、出品商品や取引内容を確認しているという(2017年10月のリリース文より)。
ヤフオク!、楽天「フリル」の対応は?
Twitterでは他のフリマアプリでの不正出品も疑うつぶやきもある。
ヤフー広報によると、1月9日夕方からヤフオク!で同様の事例があるか事実関係の調査を進めた結果、疑わしいアカウントは見つからなかった。調査にあたっては、「はれのひ」と関連性があると思われる情報を元にユーザーアカウントの調査もしたという。
一方、楽天のフリルの担当者によると、Twitter上で、「はれのひ」との関連が疑われたアカウントについて法人出品の可能性があるとして、10日午前に商品を非表示とする対応をした。はれのひとの関連性は現時点では確認できなかったという。同アカウントは、数カ月前から振袖を中心に出品を始めた模様だ。
Twitter上は、はれのひで振袖を購入したというユーザーが、自身の振袖を探してほしいと願う声が挙がっている。
(編集部より:ヤフオク!の調査結果がアップデートされたため、記事を更新しました。2018年1月10日 14時40分)
(文:木許はるみ)