Hollis Johnson
アメリカのカフェ・ベーカリーチェーン「パネラ・ブレッド(Panera Bread)」が買収の打診を受け、自社の売却を検討していると、ブルームバーグが3日(現地時間)報じた。
パンやスープ、サラダ、サンドイッチなどを提供するパネラ・ブレッドは、アメリカとカナダで2000店あまりのカフェ・ベーカリーを展開するチェーンだ。時価総額は65億ドル(約7178億円)。
報道によると、パネラ・ブレッドは買収の打診を受けたことから、身売りの可能性を含めて戦略的な選択肢を検討。アドバイザーと協力しているという。買収候補にはJABホールディングやスターバックス、ドミノ・ピザの名前が挙がっている。
パネラ・ブレッドは近年、人工の原材料や添加物を使用しない「クリーンな食事」に対するコミットメントを強めている。
今年1月、パネラは96種類の人口添加物と、2年前に自社で作った「ノー・ノー・リスト(No No List)」に掲載されている原材料の全てを使用しないという目標を達成。アメリカ国内チェーンとして初めて、同社が提供する清涼飲料水に添加されている糖分量を表示すると先週、発表した。
パネラはテクノロジーにも投資している。2016年、同社はアプリや店頭で使用する「Panera 2.0」というデジタル注文システムを発表した。
CNBCのジム・クレイマー(Jim Cramer)氏は、スターバックスがパネラの買収に関心を持っていると言う。スターバックスはフードの売り上げを伸ばそうと、4月中旬、シカゴにある100店舗で新しいランチメニューのテストを始める予定だ。昨年7月にはイタリアの高級ベーカリー「プリンチ(Princi)」に投資、同社の製品をスターバックスのスペシャルティストアで提供すると発表していた。
小売業のM&Aは、活発化している。「バーガー・キング」を保有する「レストラン・ブランズ・インターナショナル(Restaurant Brands International)」は今年2月、フライドチキンで知られるチェーンの「ポパイズ(Popeyes)」を18億ドルで買収すると発表。同月、アメリカの食品大手のクラフト・ハインツは、ユニリーバへの買収提案を撤回した。
パネラの株価は報道を受けて、7%以上値を上げた。
[原文:Panera's stock soars after report says the chain is looking to sell itself (PNRA)]
(翻訳・編集:山口佳美)