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- アマゾンの脅威をかわすには、小売業者は他にはない製品とユニークな顧客体験を提供しなければならない。
- それでも、その規模の大きさからアマゾンと競合するのは容易ではない。
- 小売業者がアマゾンと価格で戦うことはできない。
小売業者はこれまで、アマゾンが業界を根底から変えていく様子を恐怖の目で見てきた。だが、アマゾンにない、アマゾンにはできないアイテムやサービスを提供することで、eコマースの巨人と競合することはできる。そう主張するのは、バークレー・リサーチ・グループ(Berkeley Research Group)のリテール&コンシューマープラクティス・ユニットを率いるキース・イェリネック(Keith Jelinek)氏だ。
イェリネック氏はアマゾンでは購入できない、小売業者が独自に開発したプライベートブランド(PB)商品に注目する。アメリカの小売大手ターゲット(Target)は、その成功例の1つだ。
また、顧客体験も、特に実店舗では重要な意味を持つ。イェリネック氏は、商品の見せ方や教育の行き届いたスタッフの存在が、より多くの顧客を店に呼び込み、何度も店に通うインセンティブを与えると言う。
ウォルマート(Walmart)は、この点で成功している。彼らはおもちゃのお試しコーナーや、贈り物や荷物の受け取り専用のスペースを店内に設けた。また、オンラインショップの品揃えを充実させたり、35ドル以上の買い物で翌日配送が無料になるサービスも提供している。ターゲットもスタートアップ「Shipt」を買収したことで、同日配送のサービスを提供、アマゾンのホールフーズ(Whole Foods)買収に対抗している。
こうした一部の大規模小売店が生き残りをかけて善戦する一方で、アマゾンとの競争に耐えきれなくなった企業も続出している。トイザらス(Toys R Us)は、アマゾンとの提携を発表した後、2017年9月に連邦破産法11条の適用を申請、経営破たんした。靴専門店のペイレス(Payless)や家電量販チェーンのラジオシャック(RadioShack)も11条の適用を申請、何百もの店舗が閉店に追い込まれた。
だが、イェリネック氏は、小売業者がアマゾンと競合し続けるのは容易ではないと指摘する。規模が違いすぎるのだ。同氏は言う。「絶対に勝てない戦いがある。価格だ」
[原文:There are 2 ways retailers can fight off the retail apocalypse and counter the Amazon threat]
(翻訳/編集:山口佳美)