カリフォルニア州ケトルマン・シティーにあるテスラの充電ステーション。
Bryan Logan/Business Insider
カリフォルニア州ケトルマン・シティー。帯状に広がる畑、数軒のガソリンスタンド、ファストフード店、モーテル……。テスラ最大級の充電ステーションは、ハイウェイの下を通るメインストリートから離れた場所にある。以前、そこにはバーガー・キングのドライブ・スルーがあった。
通りを超えた東側にはガソリンスタンドとファストフードのカールスジュニア(Carl’s Jr.)、南側には自動車修理工場、西側にはビジネスホテルが2軒。
さらに南へ行くと、最近できたブラボー・ファームス(Bravo Farms)という、西部開拓時代の酒場を思わせるデザインの小さなショッピング・センターがある。
テスラの充電ステーションは、以前のバーガー・キングとは違って、土地を有効に活用している。ソーラーパネルの屋根が付いた駐車スペースには、40基の充電器が備えられている。プライベートラウンジでは、テスラのドライバーたちが豪華な椅子で休憩し、モバイル端末を充電し、心地よい音楽を楽しんでいる。
ラウンジ内には自動販売機やトイレもあり、テスラのスタッフもいる。展示スペースには、同社のソーラーパネルやバッテリー・パック「パワーウォール」などが並ぶ。
またラウンジに2つある大画面ディスプレーのうちの1つには、世界中の充電ステーションの場所が表示されている。画面下部には、充電量、走行可能距離、節約されたガソリン量の3つの数字が並び、どんどん数字が上がっていく。
ここは今やテスラの領地。平凡な田舎町に出現した充電ステーションは、テスラが電気自動車の未来をその手に収めようとしている明らかな証拠だ。
テスラによると、ケトルマン・シティーの充電ステーションはアメリカ最大級。同規模のものが、ロサンゼルスとラスベガスを結ぶ主要ルート沿い、カリフォルニア州ベーカーにもある。
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この旅の目的は2つ。1つは、ロサンゼルスからケトルマン・シティーの充電ステーションまで充電せずに行けるかどうか。もう1つは、テスラの最新モデル「モデルS P100D」の試乗。
テスラのモデルS P100D。
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テスラから借りた真っ赤なモデルS P100D。出発前にスペースX本社にある充電ステーションに寄った。
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ここに着いた時、残りの走行可能距離は46マイル(約74キロ)。
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約17分で走行可能距離は100マイルに。つまり54マイル(約87キロ)分充電できた。
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ここで約315マイル(約500キロ)分のフル充電をするつもりはなく、ケトルマン・シティーまで快適にドライブできれば十分だった。充電している間、数分前にスターバックスで買ったドリンクとフードを持って、中へ。
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ケトルマン・シティーに向けて出発したのは、正午を少し過ぎた頃。走行可能距離は、約250マイル(約400キロ)。モデル Sのナビと一緒に、渋滞情報をシェアできるカーナビアプリ「ウェイズ(Waze)」を使用。ウェイズの到着予想時刻は午後2時53分。
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今回のルート。グーグルマップは、かなり退屈な行程を予測した。渋滞はいつものロサンゼルスの渋滞だけ。
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安全運転を心がけ、時々、運転支援機能「オートパイロット」を使った。超高出力の「Ludicrous Mode」で走りたい衝動を抑えた。その甲斐はあった。ケトルマン・シティーまであと半分と少しくらいまで来ても、走行可能距離はまだ約159マイル(約256キロ)残っていた。
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他のEVと同様、アクセルから足を離すと回生ブレーキが働く。坂道で減速するためにブレーキを使ったことで失われるはずだったエネルギーは、代わりに電気モーターを介してバッテリーに戻った。ハイウェイの長い下り坂では回生状態が続いた。坂を下り切った時、走行可能距離は3マイル(約4.8キロ)増えていた。
インターステート・ハイウェイ5号線、カリフォルニア州グレープバインの少し手前。
Google Maps
ハイウェイからはほとんど見えないが、最寄り出口からから約0.5マイル(約800メートル)の所にケトルマン・シティーの充電ステーションはある。
到着!
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到着は午後2時50分。ウェイズの予想より3分早かった。残りの走行可能距離は61マイル(約98キロ)。
Tesla/Bryan Logan
ここは以前、バーガー・キングだった。
グーグル・マップのストリートビュー(2016年頃)。バーガー・キングはもうない。建物だけ。
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現在の様子。見事に変わった。
Google Maps/espresso
入り口近くの駐車スペースに停めた。
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12月初めの土曜日、午後遅く。感謝祭は終わり、クリスマスの前とあって静かだった。20分くらい、ドライバーは筆者1人だけだった。車内のタッチスクリーンでラウンジに入るためのアクセスコードを探すのに少し手間取った。
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中へ入ろう。
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入ってすぐの場所には、ソーラー関連の製品。ソラーパネルと、
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パワーウォール。
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さらにこれらの製品のメリットをアピール。
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続いて、モバイル端末ができるスペースと自動販売機。だが、最高の場所がこのすぐ左側にある。
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ラウンジだ。
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ラウンジのディスプレーには、世界中の充電ステーションの場所が表示されている。画面下部の数値は、充電量、走行可能距離、節約されたガソリン量を示している。見ている間にどんどん上がっていく。
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モデルSを充電している間、コーヒー片手にラウンジにしばらく座っていた。フル充電でケトルマン・シティーを出発。
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ホーソーンに帰ってきた。ケトルマン・シティーを出る時には日も暮れていたが、ロサンゼルス到着時には走行可能距離約70マイル(約110キロ)を残す、余裕のドライブだった。
モデルS P100D。スペースX本社にある充電ステーションにて。
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(翻訳:Ito Yasuko/編集:増田隆幸)