シリコンバレーは高すぎる! VCマネーをシリコンバレーから奪っている3つの州とは?

雪景色の中パソコンを使う女性

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  • カリフォルニア州に拠点を置くスタートアップへの投資は、ベンチャー投資家(VC)にとって、お金がかかり過ぎるものになってしまった。
  • そこでVCは、他の地域のスタートアップへの投資を増やしつつある。
  • コロラド州、ペンシルベニア州、フロリダ州ではスタートアップが多数生まれつつあり、このトレンドから恩恵を受けそうだ。

投資先となるスタートアップを探す際、VCはカリフォルニア州以外に目を向け始めている。このトレンドは、テック業界の中心地から離れている州にとってはプラスとなるだろう。

カリフォルニア州以外での資本調達は、ここ数年増加傾向にあるとPitchBookは「2018年のVC予測」で指摘した。2018年、この傾向はさらに強まり、資金はアメリカ国内のさまざまな地域により分散するだろう。

「カリフォルニア州のスタートアップ投資は、これまでになくコストがかかるものになっている。そのため2017年、アメリカ中部のVCに流れ込む資金は大幅に増加した」とアナリストのジョエル・ソスセイム(Joelle Sostheim)氏はPitchBookが先週公開したレポートに記した。

「地理的な多様性のある投資は、VCにとって割安なものとなりつつあり、さらに高いパフォーマンスを提供している」

全米の州あるいはエリアの中で、増加する投資の恩恵を受けるのは、ニューヨーク州、マサチューセッツ州、ワシントンD.C.、テキサス州、イリノイ州など、すでに発展した、あるいは発展中のテック企業などが存在する場所。また、コロラド州、ペンシルベニア州、フロリダ州などスタートアップが増加している州にも投資ブームが起こる可能性がある。後者の州では、教育システム、テック業界に特化した専門性、スタートアップの「増え続ける成功事例」などがそれを後押しするだろうとPitchBookは記した。

レポートによると、カリフォルニア州以外への投資が増加する中、カリフォルニア州への投資は過去2年間で16%減少している。

だが、このトレンドが続く保証はない。カリフォルニア州以外の州のスタートアップはまだカリフォルニア州ほど発展していないため、VCの投資金額が限られてしまう可能性もある。

「だがタイム・イズ・マネー、多くのVCが外部からの資金調達はコストが合わないと考えているだろう」とソスセイム氏はレポートに記した。

「もちろんエコシステムの発展には時間がかかる。また投資家がコミットするための十分な供給源となる資本や資金が不足することもあるかもしれない」

ワシントン州、イリノイ州、マサチューセッツ州、コロラド州のベンチャー企業の活動状況を示すチャート。

ワシントン州、イリノイ州、マサチューセッツ州、コロラド州のベンチャー企業の活動状況を示すチャート。

PitchBook

[原文:Three hot states are taking VC money away from Silicon Valley

(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:増田隆幸)

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