世界が注目する2画面スマホ「AXON M」にZTEは本気だ(CEOインタビュー):CES2018

2017年10月にNTTドコモとの共同開発として発表し、日本のみならず世界中から注目を集めている2画面スマートフォン「AXON M」(日本では「M Z-01K」、2月上旬発売予定)。アメリカではすでにAT&Tから発売されており、CES 2018のZTEブースでも来場客からの反響は高かった。

関連記事:ドコモの2画面スマホ「M」はウケ狙いじゃない —— 共同開発で挑む世界展開

そんなAXON Mの開発の意図や今後の展開について、ZTEコーポレーション上級副社長兼ZTEモバイルデバイスEMEA・APAC(欧州・中東・アフリカ・アジア太平洋)地域CEOの張樹民氏に話を伺った。

ドコモのみならず世界のキャリアとつくりあげた2画面スマホ

ZTE CEO

ZTE 張樹民CEO。

── AXON Mを開発した経緯は?

張:まず、AXON Mは消費者の不満を解決する製品として開発した。スマートフォンの形状がどれも似たようなものになり、スペックや機能も横並びだ。

弊社として差別化できる製品を開発しようと検討を始め、ユーザーニーズや市場の細分化も含め、全く新しい製品を考えた。ちょうどAndroidの進化によりマルチタスクやデュアルスクリーン、マルチウィンドウが実装されたことで、2画面を使う端末を開発することが可能になった。

AXON Mは弊社が新しい製品を検討した時と同じタイミングで、ドコモからも「全く新しい製品をつくりたい」と声をかけていただいた。ただ、当時はどのような製品をつくるのか、イメージは全くなく、ゼロからのスタートだった。スマートフォンの進化を改めて考えた中でディスプレイの可能性に目を付け、折り畳み型の2画面を採用することに決定した。

物理的に2つの画面を組み合わせるだけではなく、操作性や2画面の使い分けなどどのようなUIが最適なのか、ソフトウェア面でもドコモと共同で開発を進めて行った。

AXON M

AXON MのAT&T版。

── ドコモとの共同開発で得られた知見や意義はどのようなものだったか?

張:AXON Mの開発がもたらした知見は3つある。1つ目は日本の製品に対するものづくりへの姿勢だ。製品デザインからバッテリーの品質までハードウェアに限らず、ソフトウェアをどうまとめあげるか、といった点まで多くの知見を得ることができた。

2つ目は日本向け、グローバル向けの品質のバランスのまとめ方だ。そして、3つ目はグローバル市場の開拓だ。AXON Mは弊社だけではなくドコモと一緒に海外のキャリアへ採用の話を持ち掛けている。この日本スタイルのマーケティングのノウハウを得ることができた。

── AXON Mは日本から世界を狙う端末なのか。

張:たしかにアイデアはドコモと弊社、日本で考えたものだ。しかし、海外展開を行う中で、海外キャリアからもアドバイスや意見をもらっている。ソフトウェアやUIの改善など、海外から得られたものも多い。AT&Tからもさまざまなアドバイスをいただいている。

そう考えると、AXON Mは日本発でありながらも、海外で開発したグローバルモデルを日本に送り届けたモデルともいえる。なお、端末のソフトウエアは販売先のキャリアの意向を受け、それぞれの国・キャリアで異なるものを搭載している。

── 日本では過去にも2画面端末(ドコモから2013年4月発売のNECカシオ製「MEDIAS W N-05E」)があったが、AXON Mはどう進化しているのか。

張:外観は似ているだろうが、中身は全く別のものになっている。OSが進化したことでマルチタスク、マルチウィンドウなど2つの画面を最大限に有効活用できる。AXON Mの「M」の意味はマルチタスク、マルチユーザー、マルチウィンドウ、マルチディスプレイと、「マルチ」の意味から来ている。

AXON M 裏面

2画面をマルチに活用できるAXON M。

異色の端末は世界各国でも「評判が高い」のか?

── AXON Mはグローバルでどのような反応を受けているのか?

張:AXON Mはドコモと共同開発した製品だが、日本だけではなくアメリカやヨーロッパへの展開を行っている。アメリカではAT&Tが2017年10月から発売しており、全米1000店舗でPRしながら販売を強化していく考えだ。また、ヨーロッパではボーダフォンやTIMなどのキャリアからの販売が決まっている。現在、他のキャリアもAXON Mのテストを行っており、販売先はさらに拡大する予定だ。

また中国では大手ECのJD.com(京東商場)と、キャリア1社から近いうちに発売される予定になっている。これ以外にも各国のキャリアから声がかかっており、販路を広げていきたい。

CES 2018 ZTEブース

CES2018のZTEブース。AXON M中心の展開に来客の反応も良い。

「日本発、グローバル展開」のスマホは増やしていきたい

── ドコモオリジナルブランドの格安スマホ「MONO」(ZTE製)のような、キャリア専用機の今後の展開は?

張:ドコモとのコラボレーションはMONO以外にも、2年前からスタートしている。キャリアから一緒にものをつくろうという声をかけていただければ弊社も積極的に強力したい。日本ではKDDIも中国メーカーの端末を採用したように、日本市場だけを見ても新しい製品展開が始まろうとしている。

弊社のグローバル共通の端末展開戦略は、日本、アメリカ、ヨーロッパなど重要なマーケットではキャリアビジネスにフォーカスしている。これらの国のキャリアはユーザーニーズをよく理解しているだけではなく、新しい製品開発に対してのアイデアも多く持っている。

これらトップを走るキャリアと共同でユーザーニーズを解析することが、製品開発に対して高いフィードバックを得ることも出来る。一方、他の地域ではオープンマーケットでの展開も行っていく。

── 日本の市場に対して、改めて感じていることは?

張:日本市場は間違いなく世界のトップ市場のひとつだ。これは技術面だけではなく、消費者の方々の品質に対してのニーズで感じることだ。製品そのものだけではなくパッケージのデザインから中の梱包まで、日本の消費者は「モノ」をしっかりと見ている。その日本の消費者をよく知っているキャリアと一緒に日本向けの製品開発を進めるだけではなく、AXON Mのように「日本発、グローバル展開」の製品を増やしていきたいと思う。

── 日本では格安スマホなどSIMフリースマホ市場に勢いが出てきているが、オープンマーケット展開(キャリアを経由せずに家電量販店などで販売すること)は行わないのか?

張:日本ではキャリアビジネスを第一に展開しているが、ユーザーのニーズが時代と共に変わっていることは弊社も認識している。オープンマーケットも今後重要になるだろう。キャリア向け端末とのバランスや、グローバルモデルの展開など検討が必要と考えている。キャリアビジネスを通してZTEのブランド認知度が広がっていることから、さまざまな形でオープンマーケットへの展開も考えたい。

(文、写真:山根康宏)

編集部より:初出時、格安スマホ「MOMO」としておりましたが、正しくはMONOです。お詫びして訂正致します。 2017年1月17日 10:20

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み