Christian Hartmann/Reuters
- オランダのスタートアップ、LegalThingsはセックスの合意確認のために法的拘束力のある契約書を作成するアプリを開発中。
- アプリは「#MeToo ムーブメント」の盛り上がりを受けて開発された。同社はセクシャルな行為に関するコミュニケーションに明確なラインを引きたいと考えている。
- だが単純に捉え過ぎているとの批判がある。
ブロックチェーン技術はもうすぐ、ビットコインの取り引きやサプライチェーンでのモノの移動を記録することよりも、もう少しセクシーなことに使われそうだ。
オランダのスタートアップ、LegalThingsは1月10日(現地時間)、セックスのための明確で公式な合意をより簡単に確認するためのアプリを計画していると発表した。簡単なインターフェイスを通して、カップルあるいはグループはアプリ「LegalFling」を使って、結んだ契約をブロックチェーンに記録したり、ブロックチェーンに記録された契約を確認することができる。
アプリは、セクシャルな合意についての、しばしば曖昧なニュアンスを前に進めるための“楽しい”ソリューションになるとアプリの開発者で、同社の共同創業者アーノルド・ダニエルス(Arnold Daniels)は語った。同氏によると、開発はまだ始まったばかりだ。
「我々はこの件について、専門知識を持つ人と議論を行い、アドバイスを得たいと考えている。デリケートなことなので、正しく進めたい」
だが同氏とアプリにとって残念なことに、アプリについて議論を進めるのではなく、それどころか厳しい批判がある。
LegalFlingは“極めて大きな欠陥のある”取り組みで、セクシャルな合意がどうあるべきかという議論からかけ離れているとギズモードのレポーターは自身のサイトに記した。
「契約は単なる一時的なチェックリストに過ぎない。だが、2人の間の合意はセクシャルな相互関係の中から次第に生まれてくるものだ」
皮肉なことに同社は、#MeTooムーブメントを受けてLegalFlingの開発を決定した。#MeTooムーブメントによって、セクシャルな行為についての合意のあり方に大きな関心が集まった。
同社は、この問題をLegalFlingで解決しようと考えていた。このアプリは数週間後にはリリース予定で、ユーザーはアプリを使って、自分の意思を明確に伝えられるはずだった。
「公に発表する前に、正しく問題に対処できると確信できるまで、十分なアドバイスをもらうべきだった」とダニエルスは語った。
LegalFlings
だが、同社はLegalFlingについてより大きな目標を描いている。アプリを「Live Contracts」のショーケースに使おうとしていたのだ。
Live Contractsは、取り引きやさまざまな契約などをブロックチェーンに記録する。ブロックチェーン技術を活用して法的拘束力を持つデジタル契約書が簡単に作成できることを、LegalFlingを使ってアピールしようと考えていたとダニエルスは語った。
「我々は、10ページの法的文書を作らなくても契約が締結できることをアピールしたい」
契約書はアプリで作成され、バーチャルな元帳に記録される。セクシャルな行為に関する合意であっても、それを破ればリアルな影響を生み出す。
「例えば、ヌード写真を撮ることに合意して、契約書には要求に応じて削除し、決してシェアしてはならないと明確に述べられていたとする。もしそれに違反すれば、5万ドルの罰金を科せられることになる」とダニエルスは語った。
「仮に違反を訴えるようなことになっても、警察や裁判所に持ち込むよりもより簡単にできる」
[原文:You may soon be able to use the blockchain to formally consent to sex]
(翻訳/編集:増田隆幸)