2017年12月、第4回世界インターネット大会のオープニングセレモニーに出席したティム・クック氏。
Reuters
- アップルCEO、ティム・クック氏は1月17日(現地時間)、公の場で初めてバッテリー問題についてコメントした。
- アップルはバッテリーについての措置を、この件が騒ぎになる前にユーザーに知らせていたが、気にしてなかったとクック氏は語った。
- 同氏は、より明確に説明すべきだったと謝罪した。
- クック氏はまた、2万人を新規雇用し、第2本社をオープンする件についてコメントし、新規投資の一部は2017年12月に成立した税制改革法案によるものと語った。
クック氏は、アップルがバッテリーが老朽化したiPhoneのパフォーマンスを低下させても、ユーザーは驚かないと考えていた。なぜなら、同社はその措置を事前にユーザーに知らせていたから。
クック氏は1月17日(現地時間)、ABCニュースに出演し、公の場で初めてバッテリー問題について語った。ソフトウエアアップデートによってiPhoneのパフォーマンスを低下させたが、予期せぬシャットダウンを防ぐことが目的だったと語った。
また同氏は、アップルは積極的な情報提供に努めてきたが、今回の措置に別の思惑があるとユーザーに思わせてしまったかもしれないことを謝罪し、より明確に説明すべきだったと述べた。
「ソフトウエアアップデートを行った時、我々はその目的を説明していた。だが多くの人は気にしてなかったと思う。もっと明確にすべきだった」
アップルは2017年12月、老朽化したバッテリーが原因となる予期せぬシャットダウンを防ぐために、iPhoneのパフォーマンスを制限していたことを認めた。このことは大きな批判を巻き起こし、公的機関も調査に乗り出した。
クック氏がニュースで語っていた説明とは、同社が2017年初めに行った渦中のソフトウエアアップデートのリリースノートのことだ。リリースノートの中で同社は「また、iPhoneが突然シャットダウンするのを防ぐために、ピーク作業時の電源管理も改善されました」と記していた。
2017年12月、これがiPhoneをスローダウンさせるという意味だと分かった時、アップルは老朽化や充電回数のために、バッテリーがピーク作業時に必要な電力を供給できないケースがあると説明した。アップルはOSを調整し、老朽化したバッテリーに負担をかけず、シャットダウンしないようにしていた。
アップルが古いiPhoneをスローダウンさせているというニュースが広まった時、新しいiPhoneに買い替えさせるために、アップルはiPhoneをスローダウンさせたと非難するユーザーもいた。だが「そのような意図」は持っていないとクック氏は語った。だが同氏は、もしそう思わせてしまったなら、「深く謝罪する」と述べた。
現在、アップルは対象となるモデルのバッテリー交換を通常よりも低価格で提供している。
またクック氏は、海外資産を本国に戻すために380億ドル(約4兆4000億円)の税金を支払い、2万人を新規雇用し、新たな本社施設を建設するという1月17日の発表内容についてコメントした。
「明確にしておきたいのは、これらの取り組みは、一部は税制改革の結果であり、同時に一部は通常の投資ということ」
17日午後早く、トランプ大統領はアップルの発表に対して、個人的な見解をツイートした。ツイートではこう断言している。
「税制改革の成果だ」
(翻訳/編集:増田隆幸)