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- 相次ぐ暴力事件の後、インドの首都圏デリーは、全ての学校教室に監視カメラを設置する予定だ。
- 東部の都市コルカタでは、いくつかの学校が1月、非接触型のIDタグを使った親が子どもの現在地を追跡できるテクノロジーを導入した。
- デリーの決定を含め、アジアでは監視手段の導入が急速に進んでいる。
インドの首都圏デリーでは、相次ぐ暴力事件の後、全ての学校教室に監視カメラを設置する予定だ。アジアでは、監視手段の導入が急速に進んでいる。
BBCによると、デリー首都圏首相のアルビンド・ケジリワル氏は、監視カメラは今後3カ月で全ての公立学校に設置されるだろうと述べた。
保護者は携帯電話にリアルタイムでストリーミング配信される、教室内の様子を見ることができる。
ケジリワル首都圏首相は先週ツイッターで、学校を監視することで「全てのシステムの透明性と責任」が担保されるだろうと述べた。
また、子どもたちの安全を守るためのセキュリティー対策も講じると言う。インドでは教育現場で起きたいくつかの暴力事件が注目を集めている。
9月、デリー警察は教室で5歳の少女をレイプした疑いで、学校の警備員を逮捕した。その数日後、近くの別の学校では7歳の少年が死体で見つかった。
インド東部の都市コルカタでも1月、非接触型のIDタグを使った親が自分の子どもの現在地を追跡できるテクノロジーを導入した。
政府はその活動をモニターするため、病院に監視カメラを設置することも提案している。
こうしたインドの監視手段の広がりは「反ユートピア的」で、学校施設に監視カメラなどを設置するのは、インドを「監視国家」に向かわせるものだと批判する声もある。
アジアで広がる監視
アジアでは、監視システムが普及し始めている。
雑誌エコノミスト(Economist)によると、2004年には大阪で、 子どもの現在地を追跡するための非接触型の自動認識技術RFIDを使った監視システムが導入された。また、ドバイでは最近、同じ技術を使って子どものスクールバスの乗り降りを保護者に報告しているという。
中国では、監視システムはさらに日常生活に溶け込んでいる。
遼寧省では、保護者が息子の学校に設置されている監視カメラの映像をソーシャル・メディアで投稿、波紋を呼んでいる。
ライブストリーミング・プラットフォーム大手の奇虎360は2017年12月、人々のプライバシーに対する懸念の声から、サービスを停止した。ここでは、学校教室やレストラン、スイミングプールなど、さまざまな公的な場所に設置されている監視カメラ映像が配信されていた。
中国の北西部、新疆ウイグル自治区では顔認証による監視システムの試験運用も始まっているという。監視対象者が自宅や職場以外を出歩いていると、当局に通報が入る仕組みだ。
市民のDNAや虹彩スキャン情報も収集、生体認証データベースに登録され始めていて、地域内の全ての乗り物は強制的にGPS追跡システムの対象とされている。
[原文:India will install cameras in classrooms amid a rise of surveillance measures in Asia]
(翻訳/編集:山口佳美)