定額制サービスなら、ユーザーはさまざまな車種を試すことができる。
Daimler
- BMWとメルセデスは2018年、定額制サービスのテストを計画中。
- 自動車業界は、極めて周期性が高く、結果として変動性が高くなる。
- 自動車メーカーは定額制サービス、あるいは他のモビリティサービスは、売り上げをより着実なものにすると考えている。
自動車業界はここ数年、好調な売り上げを続けている。それゆえにメーカーやディーラーはその将来を危惧している。
なぜなら自動車業界は周期性の強い業界であり、業界は業績悪化に備えている。さらに自動車業界は、好不況の波があるその特性の解決手段を模索している。定額制サービスの導入だ。
定額制サービスでは、ユーザーは毎月、定額料金を支払って自動車に乗る権利を得る。数年ごとに新車を購入するのではなく、ユーザーは毎月、メーカーにお金を支払う。つまりメーカーにとっては、売り上げはより安定的なものになる。
キャデラック、リンカーン、ポルシェ、ボルボなどのブランドは、ここ数年、定額制サービスをテストしてきた。BMW、メルセデス・ベンツも今年、テストを計画しているとAutomotive Newsが伝えた。
BMWもメルセデス・ベンツもサービスの詳細は明らかにしていない。両社ともテストを限定的に行い、長期の可能性を見極めようとしている。
自動車メーカーは、ライド・シェアリングサービス、定額制サービス、配送サービスなどのモビリティサービスを新たな成長のチャンスと捉えている。
2018年1月、フォードはCESで、小規模な事業者がフォードの自動運転車を製品やサービスの配送に利用できるプラットフォームを開発中と発表した。この新しい配送ビジネスは、ライド・シェアリングサービスと同様、同社に着実な売り上げをもたらすことになるとフォードのCEOジェームス・ハケット(Jim Hackett)氏は、Business Insiderに語った。
「当社の能力を生かせるビジネスとして完璧」と同氏はCESで我々に語った。
「自動車産業は世界最大の産業だが、周期性が高いゆえに株価収益の見通しが落ち込む。これはおそらく、業績悪化も同様だが、スマートシティやスマートビークルはなくならない。売り上げはそうした領域から得られる。とても魅力的だ」
フォードのCEOだけが定額制サービスに期待しているわけではない。コンサルティング会社マッキンゼーは2016年のレポートで、定額制サービス、ライド・シェアリングサービス、リモートでのソフトウエア・アップグレードといった「オンデマンド・モビリティ・サービスおよびデータ・ドリブン・サービス」は2030年、1兆5000万ドル(約170兆円)の新規売り上げを業界にもたらすと予測している。
(翻訳/編集:増田隆幸)