オールジャパンの宇宙開発企業「スペースウォーカー」設立会見、豪華な顔ぶれ

スペースウォーカー

宇宙業界の重鎮と異業種の若者がコラボした「スペースウォーカー」。

小惑星探査機「はやぶさ」の開発者やIHI、三菱重工業の元トップエンジニアらが「スペースウォーカー」を2017年12月に設立した。有翼ロケットの実用化を進める。

同社の代表取締役CEOは、アートディレクターの大山よしたか氏(36)。創業者は、九州工業大学の米本浩一教授(64)。大山氏が、米本氏の家族と友人だったことから、新会社設立の契機ができた。同社役員には、宇宙業界の“重鎮”とともに、異業種の若手が名を連ね、個々のつながりが縁で集まったメンバーが、宇宙開発の挑戦に乗り出す。創業から1カ月、都内で設立記念パーティーがあり、ライバル、異業種の連携に期待の声が上がった。

日本の宇宙業界の有名人たちが参画

米本氏は、川崎重工業出身で航空宇宙工学が専門。長年、有翼ロケットの開発を続けてきた。大山氏は飛行機のデザインをした経歴を持ち、たまたま米本氏の家族と知り合いだった。

「娘から『宇宙が好きな人がいるから、お父さん、会ってみて』と勧められ、喫茶店で会ったら、高校生みたいな方がいて」(米本氏)、それが大山氏だった。

米本教授

九州工業大学の米本浩一教授。

新会社の具体的な事業内容は、4月ごろに正式に発表するため、詳細は公表していないが、有翼ロケットの実用化に向け、新会社を設立することになった。

役員は、日本の宇宙開発を牽引してきたメンバーが集う。

取締役会長は、はやぶさ(1号機)の開発や、宇宙ステーションの運用をしてきた「有人宇宙システム(JAMMS)」の留目一英元社長。社外取締役には、IHIエアロスペースの浅井達朗元社長や米国三菱重工業の淺田正一郎元副社長が就いた。元JAXAの宇宙ビジネスコンサルタントの大貫美鈴氏も参画している。

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アートディレクターの大山よしたか氏。

上記のメンバーに加え、異業種の若手も役員に並ぶ。

COO(最高執行責任者)は、ITベンチャーの創業支援に従事した後、現在は会計事務所の代表を務める眞鍋顕秀氏、CFO(最高財務責任者)は、投資業界出身の保田晃宏氏が就いた。社外取締役に、元ミクシィ執行役員の辻正隆氏も迎えた。

取締役

宇宙業界のベテランから話を聞く若手の役員たち。

米本氏は「たくさんの人が関心を持ってもらったことにびっくりしている。大山さんをはじめ、まだ30代の若いコアメンバーと、オールドが集まって、会社というよりも、みんなで、これから何かを成し遂げるぞ、という集団にしたい」と話し、大山氏は「オールジャパンで有翼ロケットができた時、日本が力を持つと思うし、このメンバー、この夜が伝説になる会社にしたい」と抱負を述べた。

役員は、たまたま個人のつながりで集まったメンバーたち。大山氏に誘われたという眞鍋氏は「人脈だけの数奇な縁で始まっている。これも一つの運命。宇宙はすごく夢がある業界だと思っているが、現実的な話をするのが私の仕事。宇宙に関係のない人間がいる意義を示したい」とあいさつ、ベテランの浅井氏は「実は会社の計画をよく聞いていなくて」と苦笑したが、「若い人が何かをやろうとしている。精神的に応援したい。自分の失敗の経験を伝えられたら」と激励した。

会場には、日本の宇宙関連企業の関係者が出席し、関係者は「宇宙業界はライバル企業といっても、業界が狭いので、つながっている。まったく違う世界の若者の意見は大切になる」と新会社に期待していた。

スペースウォーカーがどのような事業をするのか、4月の発表に業界の内外から注目が集まりそうだ。

(文、撮影・木許はるみ)

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