企業価値90億ドル、注目のフィンテック・ユニコーンがビットコインの取り扱いを停止

ストライプの共同創業者、パトリック・コリソン氏とジョン・コリソン氏。

ストライプの共同創業者、パトリック・コリソン氏とジョン・コリソン氏。

Stripe

  • 企業価値90億ドル、モバイル決済を手がける注目のフィンテック・ユニコーン、ストライプ(Stripe)は、小売業者が支払いをビットコインで受け取ることができるサービスを停止した。
  • オンライン決済の未来と有望視されていたビットコインにとっては、大きなマイナス要素。だが、ビットコインを使った決済から手を引くのは同社だけではない。
  • 取引手数料の高騰と取引処理時間の遅延によって、ビットコインを少額決済に利用することは難しくなった。取り引きごとにかかる手数料は12月、37ドルを記録した。

企業価値90億ドル(約1兆円)、モバイル決済を手がける注目のフィンテック・ユニコーン、ストライプは、1月23日(現地時間)、ビットコイン関連のサービスを停止すると発表した

小売業者と顧客、双方での利用頻度の低下を理由に、同社はビットコイン決済のアプリケーションのサポートを停止し、4月23日にはビットコインによる支払い処理を完全に停止する。

「実際のところ、ビットコインを使った取り引きが理に適っているという事例がどんどん少なくなっている」とストライプのプロダクトマネージャー、トム・カルロ(Tom Karlo)氏は発表の中で述べた。

ビットコインが爆発的に高騰するなか、多くの人が投資の対象としてビットコインに関心を寄せた。だが、これは日常的な支払方法として広く利用する場合における問題点を浮き彫りにした。

ビットコインの取り引きを支える計算インフラを提供する人たちが受け取るマイニングフィーは2017年12月にピークに達し、タイムリーな取り引きのためには1回の取り引きごとに37ドル(約4000円)の手数料が必要になった。高い手数料を払わない場合には、取り引きが完了するまでに数時間、あるいは数日かかり、完了する時にはビットコインの価格が変わっている状況になった。

今日現在(日本時間1月25日)の取引手数料は7ドル弱だが、変動が激しく、多くの人が取り引きを行うと手数料は上がる。加えて、他にも手数料がかかることもある。例えば、ストライプを使った場合には、ストライプに対する手数料も発生し、最終的に取り引きごとの手数料はより高くなる。

取引手数料の高騰と取引処理時間の遅延を理由に、ビットコインを使った決済から手を引くのはストライプだけではない。ちなみにストライプは売り上げの多くをクレジットカード決済から得ている。

オンラインゲームを扱うValveも12月、ビットコインによる支払いの受け付けを停止した。またちょうど同じ頃、マイクロソフトもビットコインの取り扱いを一時的に停止した。両社はビットコイン専用の決済アプリで、ストライプの競合でもあるBitPayを使ってビットコイン決済を行っていた。BitPayも一時的に100ドル未満の支払い処理を停止した

ストライプは依然として「仮想通貨について極めて楽観的」とカルロ氏はブログに書いているが、同社がビットコインのサービスを停止したことは、決済業界、およびビットコインにとって大きな転機となった。

2014年、ストライプがビットコインを使った決済を開始した当時、仮想通貨推進派は、売り手に取引手数料がかかるクレジットカードよりも安価な決済手段となり、銀行や安定した通貨がない地域で暮らす人々にとって、より利便性の高いものになると信じていた。

「我々の願いは、ビットコインがオンライン決済における世界共通、非中央集権的な基盤となること、そしてクレジットカードが普及していない地域やクレジットカード手数料が高額な場合に使えるようになることだった」とカルロ氏。

だが、その願いは実現しなかった。

[原文:$9 billion startup Stripe drops bitcoin support because it doesn't make sense as a means of payment

(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:増田隆幸)

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