仮想通貨580億円流出のコインチェックとは? アルトコインの取扱いで急成長

コインチェックのロビー

東京・渋谷のコインチェックの受付前風景。

日本円換算で580億円に相当する仮想通貨NEM(ネム)のハッキング被害が明らかになった、仮想通貨取引所コインチェック。Bitcoin(ビットコイン)以外の仮想通貨「アルトコイン」の積極的な取り扱いで急成長した。

多額のNEMが外部に不正送金されたのは、2018年1月26日未明のことだ。同社は同日正午すぎ、NEMの入金を制限するとブログで発表。同日夕にはビットコイン以外の売買停止に至った。

2017年末にはタレントの出川哲朗さんを起用したテレビコマーシャルを開始し、取引所としては、最大手のbitFlyer(ビットフライヤー)と並ぶ存在感を示していた。その一方で、同年9月以降、取引所は「仮想通貨交換業者」として金融庁への登録が義務付けられたが、同社については「審査中」の状態が続き、「みなし仮想通貨交換業者」としての運営が続いていた。

コインチェック 和田晃一良社長

コインチェック 和田晃一良社長。2017年12月撮影。

金融庁は業者を登録する際の手続や、審査の留意点などをまとめた事務ガイドラインを策定している。同庁は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策、社内のコンプライアンス体勢などのほか、コンピューターの不正使用で利用者や業者が損失をこうむる「システムリスク」への対策も審査項目となっている。

ガイドラインは「システムが安全かつ安定的に稼動することは資金決済システム及び仮想通貨交換業者に対する信頼性を確保するための大前提であり、システムリスク管理態勢の充実強化は極めて重要」としている。

コインチェック社は、社長の和田晃一良氏が2012年8月に設立した、レジュプレス社が前身だ。2017年3月10日にコインチェックに社名変更した。ビットコイン以外のアルトコインを積極的に取り扱い、取引所として急速に存在感を増した。同社の取引所では、ビットコインを含め、13種類の仮想通貨の売買ができる。

同社は、2017年9月13日に関東財務局に仮想通貨交換事業者の登録を申請。9月29日、12月1日、12月26日の3回、登録が完了した事業者が公表されているが、コインチェック社は登録に至っていない。同社は同年12月1日付で「該当機関との最終調整を行なっている段階」「今後につきましても通常通りサービスを提供することが可能」とするプレスリリースを公表している。金融庁は1月26日夜の時点で取材に対して、「現在も審査中の状態だ」と回答した。

別の取引所の幹部は「ほかで扱っていないコインも取引をしているので、審査に時間がかかっていたのではないか」と話した。

(文・小島寛明)

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