コインチェック流出|NEM勉強会で見た「心中複雑なファン」と「ホワイトハッカー女子高生」の正体[NEM Meetup]

仮想通貨取引所コインチェックから、約580億円相当が不正に引き出された仮想通貨のNEM(ネム)。1月26日の問題発生から2日経った28日、都内ではNEMに関心のある人が集まる勉強会「NEM Meetup JAPAN」が開かれた。

ネムミートアップ

NEMに関心のある人々が集まった会場。

NEMに関心のある人たちのコミュニティであるNEM財団の副代表のジェフ・マクドナルド氏が中継で登場し、「今回(コインチェック)の問題は(NEMの)テクノロジーの欠陥ではない。あくまで法律の問題として、日本の規制・司法当局と協力して刑法に則った形で処理していくべき」と明言した。ネット上で、流出資金の追跡システムを開発したとして、話題になった「ホワイトハッカー」の存在にも言及した。

継で登場した「NEM財団」のジェフ・マクドナルド氏。

中継で登場した「NEM財団」のジェフ・マクドナルド氏。

NEM財団は1月28日(Twitter上では日本時間13時19分に配信された)公式ブログ内で、アカウントに自動でタグ付けする追跡システムを開発していると発表。24〜48時間で完成する見込みとした。

システムの実装の状況を質問すると、ジェフ氏は「すでに(NEMには)アカウントのウォッチング機能はあった。テレグラムや追跡ツールがあり幸いだったが、この状況で詳細を話すとハッカーが悪用する可能性があるので、現時点では進捗状況は話せない」と述べるにとどまった。

ホワイトハッカーの女子高生とは?

問題発生後にコインチェックの流出資金の追跡システムの開発に貢献し、Twitter上などで賞賛されている「Rin, MIZUNASHI(JK17)」(@minarin_)」さんの存在についてもジェフ氏は語った。

「Rinは同じ財団の従業員で、私の部下。Rinとは、ハッキングの情報が公になる前から、このアカウントをウォッチングしてほしい、どのような形でトラッキングができるか、という可能性を話していた。Rinは迅速に熱心に取り組んでくれている。彼が使っているトラッキングシステムはちょうど更新した、もしくは、これからすぐに更新をかけていく段階に入っている」

Twitter上の「Rin, MIZUNASHI」のアカウント末尾に(JK17)と付いているためか、ネット上では日本の女子高生が「ホワイトハッカー」として活躍したのでは、と話題になった。ジェフ氏が「Rin, MIZUNASHI」を「he」(彼)と表現したとき、張り詰めた会場の空気が一瞬ゆるんだ。

出席者はコインチェックを「応援」

「NEM Meetup Japan」は、NEMに関心のあるボランティアらが集まり、主催している。2017年11月から始まり、今回が2回目。初回は20〜30人だったが、今回は120人が出席した。会場は満席で、コインチェックの問題の余波も感じさせない盛況ぶり。

出席した投資家やエンジニアからは今回の問題で、仮想通貨の勢いが衰えることを心配し、コインチェックを“応援”する声が上がった。

ネムミートアップ

会場には、XEMで購入できるNEMグッズが売られていた。

2017年1〜2月からNEMに投資している男性は、「(国内でNEMを取り扱う)コインチェックとZaifがいるからこそ、日本国内が盛り上がる。(取引所は)精一杯キャッチアップして、リスクをとって運用してくれている。仮想通貨市場が膨らんでいく中で、法律、リテラシーが追いついていない」と話し、「(コインチェックは)ユーザーの方を向いて、誠実に対応している」と評価した。

エンジニアの男性は「コインチェックの勉強会に参加したことがあるが、優秀なエンジニアの方々だった。(どんなプログラムも)バグは出てしまうので、(流出の可能性も)仕方ない」と擁護した。

主催者の男性は、「コミュニティが正しい情報を発信してくことで、この市場が正しい方向に進められるのではないか」とNEMコミュニティの役割を提案していた。

業界への余波は?

NEM投資編

イベントでは、「NEM基本編・投資編・技術編」など、多くのセッションが設けられた。

会場には業界関係者の姿もあり、「被害者のことを考えるとなかなか言いにくいが、コインチェックに頑張ってほしい気持ちがある」と複雑な心境を話す。

金融庁は1月29日、コインチェックに対して、利用者への対応や、システムリスク管理の強化などを柱とした、業務改善命令を出した。国内の仮想通貨取引所各社に対しても、セキュリティ対策の再点検を要請している。

問題の余波は業界にどこまで広がるか、この業界関係者は「普段から金融庁の検査はかなり厳しい」と話した。

(文、写真・西山里緒、木許はるみ)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい