Mike Segar/Reuters
- アマゾンはその企業発表によって、たびたび株式市場のセグメント全体を揺るがす、並外れた能力を見せてきた。
- 直近では、30日(現地時間)に発表したバークシャー・ハサウェイ、JPモルガンと共同でヘルスケア企業を設立するというニュースが、ヘルスケア関連株を下落させた。だが、こうした動きは今回が初めてではない。
アマゾンが新たに発表したバークシャー・ハサウェイ、JPモルガンとのヘルスケア企業の共同設立のニュースは、ヘルスケア業界を震撼させたかもしれない。だが、ジェフ・べゾス氏率いるアマゾンが市場を揺るがすのは、これが初めてではない。
同社はときに最も基本的な企業発表を通じて、競合他社の株価を下落させてきた。今回のヘルスケア企業の共同設立は、その直近の一例に過ぎない。
理由はシンプルだ。アマゾンには大量のキャッシュがあり、他に類を見ないほどのロジスティック・ネットワークがある。同社がある市場へ参入しようとすれば、投資家は恐れをなして逃げ出してしまう。
実際、アマゾンはこれを定期的に繰り返してきた。
Business Insiderではここ数カ月の事例をまとめた。
2018年1月 —— アマゾン、JPモルガン、バークシャー・ハサウェイがヘルスケア企業の共同設立を発表した後、ヘルスケア関連株が下落
アマゾン、JPモルガン、バークシャー・ハサウェイは、3社がどのような企業を作ろうとしているのか、具体的には明かしていないが、コスト削減により従業員の満足度を向上させたいと述べている。この発表が株価に影響した。
メットライフやエクスプレス・スクリプツ、ユナイテッドヘルスといった医療保険会社や薬剤給付管理会社の株価は大幅に下落、数十億ドルの価値を失った。
2017年6月 —— アマゾンが137億ドルのホールフーズ買収を発表した後、食料品チェーン関連の株価が下落、その2カ月後にホールフーズの値下げが発表されると、再び株価は下がった
食料品チェーン関連の株価は、アマゾンによって2度下落した。1度目はホールフーズの買収、2度目は買収の2カ月後に発表されたホールフーズの値下げが影響した。
クローガーやスプラウツ・ファーマーズ・マーケット、ターゲット、ウォルマートといった企業の株価は、2%~8%ほど下落したと複数のメディアが報じている。
2017年6月 —— ナイキとの提携が報じられると、アスレチック・アパレル関連株が下落
2017年6月、ゴールドマン・サックスはそのレポートの中で、ナイキ(Nike)が「近日中に」アマゾンでの直接販売を開始するだろうとの見方を示した。これがアスレチック・アパレルのメーカーと小売チェーンの株価に影響した。
ディックス・スポーティング・グッズ(Dick's Sporting Goods)、アンダーアーマー、フットロッカー(Foot Locker)などが影響を受けた。
2017年6月 —— ホールフーズ買収の後、アマゾンがヘルスケア業界に参入するのではないかとの憶測が広まり、医薬品サプライチェーン関連の株価が下落
市場はアマゾン、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガンの今回の提携を予見していたのだろう。結果的に、ヘルスケア関連株は急落している。
6月、ホールフーズの買収が発表されると、CVS、ウォルグリーン、カーディナルヘルス、アメリソースバーゲン、マッケソン、エクスプレス・スクリプツは1%~5%下落した。
[原文:Here are the 4 times Amazon has panicked investors in other companies]
(翻訳/編集:山口佳美)