グーグルの親会社「アルファベット」はこんな事業をやっている

グーグルのロゴ

Thomson Reuters

グーグルが組織再編し、親会社アルファベット(Alphabet)を設立してから1年以上が経過した。

目的はグーグルが手掛ける全ての事業の運営効率を上げること。CEOのラリー・ペイジ(Larry Page)氏は、「ジャベリン(Javelin)」と名付けたこの秘密プロジェクトを数年間進めてきた。

この改革により、ペイジ氏は日々の業務から離れて「より大きなビジョンに注力する」ことができるようになった。

現在、アルファベットはアップル、サムスン、マイクロソフトに次ぐ巨大企業となっており、気球を使ったインターネット接続、自動運転車、Google Cloudなどの全ての大規模プロジェクトを統括している。

アルファベット傘下の企業の全貌を見ていこう。

グーグルは事業単位でさらに効率良く動けるよう、2015年10月に正式にアルファベットを設立し、CEOにはグーグルの共同設立者であるペイジ氏が就任した。

アルファベットCEO、ラリー・ペイジ氏

Chris Hondros/Getty Images


アルファベット傘下の企業は大きく2つ、グーグルとその他に分けられている。その他の中で最も良く知られているのは、「ムーンショット(壮大な挑戦)」研究開発部門の「X」。ほかにもいくつかの会社がある。比較的小規模な会社から紹介していく。

アルファベットのイメージ写真

Flickr/MTSOfan


ネスト(Nest)は、スマートサーモスタットや屋外用防犯カメラなどの家電を開発している。2014年、現在のアルファベット(当時のグーグル)に買収された。CEOのトニー・ファデル(Tony Fadell)氏は2016年6月に辞任したが、その後もアルファベットに残っている。ファデル氏の後任を務めるのはマーワン・ファワズ(Marwan Fawaz)氏だ。

スマートサーモスタットの写真

George Frey/Getty Images


アルファベットのアクセス&エネルギー(Access & Energy)部門には、グーグルファイバー(Google Fiber)などがある。2012年にカンザスシティーでスタートした後、9都市で事業を拡大しているグーグルファイバー(Google Fiber)は1GB以上の超高速インターネットとテレビを提供しており、既存のケーブル会社に取って代わるものになると言われている。現在、ユーザーは20万人。

グーグルファイバーの車

Google

出典:Business Insider

ただし、このところの業績は芳しくなく、2017年初めに事業を縮小し、人員も大幅に削減した。2017年中にファイバー部門を売却するのではないかと噂されている。

グーグルファイバーの商用車

グーグルファイバーの商用車

George Frey/Reuters

Source:Business Insider,The Information

グーグルのライフサイエンス部門は、もともとは「X」の一部門だったが、2015年にベリリー(Verily)と名称を変え、アルファベット傘下の会社となった。ヘルスケアと疾病予防の研究に注力している。主な研究内容には、血糖値を測定できるスマートコンタクトレンズや、パーキンソン病などにより手を動かすことがままならない人向けの自動安定機能を備えた食器がある。

疾病予防研究のイメージ写真

Shutterstock

出典:Business Insider,Business Insider

2015年に設立されたサイドウォーク・ラボ(Sidewalk Lab)は、都市改革に注力する会社。ダン・ドクトロフ(Dan Doctoroff)氏が指揮をとり、テクノロジーを駆使して都市を改善するための方法を模索している。同社はニューヨーク、ハドソンヤードの再開発地区にある。

「LinkNYC」の写真

「LinkNYC」は、ニューヨーク市内にあるデジタルキオスク。無料Wi-FiやUSB充電端子を備える。サイドウォーク・ラボは、LinkNYC設置にあたりニューヨーク市と提携した。

Appleton/Mayoral Photography Office

出典:Business Insider, Hudson Yards

キャリコ(Calico)は、2013年に「不老不死」を目指して設立された。がんやアルツハイマーなどの加齢が関連する疾患と闘い、長寿を実現する薬の開発に多額の投資を行っている。

老人のイメージ写真

REUTERS/ Christian Hartmann

出典:Business Insider

GVは、以前はグーグルベンチャーズ(Google Ventures)として知られていたアルファベットのアーリーステージを対象とした投資部門。運用資産は24億ドル。Uber、Flatiron Health、Slackなど、300社以上に投資している。

Uberの車両

Business Insider/Corey Protin

出典:Business Insider

成長株ファンドのグーグルキャピタル(Google Capital)は、キャピタル・ジー(CapitalG)となった。GVとは異なり、レイターステージのスタートアップに注力している。主な投資先はAirbnb、Glassdoor、Thumbtackなど。

Airbnbのロゴ

Thomson Reuters

出典:Business Insider

アルファベットのシンクタンク部門は2016年初め、ジグソー(Jigsaw)として独立した。ジャレッド・コーエン(Jared Cohen)氏が統括するジグソーは、ネットでの検閲や過激思想、いやがらせなどの問題に取り組んでいる。

ジャレッド・コーエン氏

Dave Kotinsky/Getty Images

出典:Business Insider

DeepMindはAI研究に注力している。2014年に5億ドルで買収された同社は、グーグルのサービスや検索エンジンへのAI導入に注力してきた。「DeepMind AI」は、アーケードゲームのプレイ方法を自分で学び、人間とボードゲームで対戦する能力を持つ。

ディープマインドの写真

Google DeepMind

出典:Business Insider

ロンドンに本社を構えるDeepMindは現在、グーグルとの連携を強めるため、新たにアメリカで大きなチームを立ち上げているところだ。

ディープマインドの写真

Google Deepmind

出典:Business Insider

グーグルの自動運転車プロジェクトは、過去7年半にわたり完全自律走行が可能な車の開発に取り組んできた。グーグルの「X」の一部門としてスタートし、2016年12月、ウェイモ(Waymo)として独立した。

ウェイモの自動運転車

Justin Sullivan/GettyImages

出典:BloombergGoogle

ウェイモの語源は「モビリティーの新たな方法(Way forward in mobility)」であり、「人やモノが安全かつ簡単に移動できること」をミッションに掲げている。ウェイモは200万マイル(約320万km)の走行実験を終えたが、いまだ商用利用には至っていない。

ウェイモの自動運転車

Waymo

出典:Business Insider

ムーンショット・ファクトリー(moonshot factory:革新的なものを生み出す工場)を自称しているグーグル「X」には、さらにいくつかの部門がある。

グーグルXのイメージ写真

Flickr/Techcrunch


ルーン(Loon)プロジェクトは、気球を使って世界の人口の3分の2にインターネット接続を提供するという壮大な計画。最近、新しいCEOの下、気球をクラスター化することで需要の高い地域にインターネット接続を集中させるという大きな技術改良を実現した。

ルーンプロジェクトの写真

Screenshot

出典:Business InsiderBusiness Insider

プロジェクト・ウィング(Project Wing)は、ドローン配送サービスに取り組んでいる。一般向けサービスを2017年中に始める予定。2016年にチポトレのブリトーをバージニア工科大学の学生に届けた際には注目を集めた。しかし、過酷な労働環境の告発などの問題を抱え、プロジェクトを統括していたデーブ・ボス(Dave Vos)氏は2016年10月に辞任した。プロジェクトは引き続き、進行中とのこと。

プロジェクト・ウィングの写真

Google

出典:Business InsiderBusiness Insider

タイタン・エアロスペース(Titan Aerospace)は2014年にグーグルが買収し、プロジェクト・タイタン(Project Titan)と名前を変えた。何年も飛び続けてインターネット接続を世界中に提供するソーラー電池で飛行するドローンを開発していた。このプロジェクトは2016年後半にプロジェクト・ウィングに取り込まれた。

プロジェクト・タイタンの写真

Titan Aerospace

出典:Business InsiderBusiness Insider9to5Google

さて、次にグーグルについて見ていこう。

グーグルのイメージ写真

Justin Sullivan/Getty Images


Google Chrome、スマートフォンのPixel、Google Home、Google Playは、全てCEOのサンダー・ピチャイ氏が指揮するグーグルが提供している。

グーグルCEOのサンダー・ピチャイ氏

Reuters/Beck Diefenbach


ハードウエア部門が設立されたのは2016年。設立と同時に元モトローラ社長のリック・オスターロー氏が迎えられた。同氏はPixel、Google Home、Chormebook、そして改良を重ねているGoogle Glassの責任者に任命された。同氏はピチャイ氏の直属となっている。

ハードウェア部門を統括するオスターロー氏

REUTERS/Lucas Jackson

出典:Business Insider

ATAP(Advanced Technology and Projects)では、スマート繊維の開発を行う「ジャカード(Jacquard)プロジェクト」、レーダーを使ったジェスチャーコントロールが可能な「ソリ(Soli)」や、短編のVR動画を作る「スポットライト・ストーリー(Spotlight Stories)」などのプロジェクトに取り組んでいる。ATAPはオスターロー氏が統括している。

ATAPのイメージ写真

Matt Weinberger

出典:Business Insider

ダイアン・グリーン(Diane Greene)氏は2015年にグーグルに入社し、ビジネス向けのソフトウエアパッケージ「G Suite」(元「Google Apps for Work」)や、Google Cloud Platformなど、クラウド関連のビジネスを統括している。

ダイアン・グリーン氏の写真

Steve Jennings/Getty

出典:Business Insider

Google Cloudは、アマゾンの「AWS(アマゾンウェブサービス)」や マイクロソフトの「Azure」と競合している。クラウドビジネスは広告ビジネスよりも大きくなるかもしれないと、グーグルの上層部は語っている。

Google Cloudのイメージ図

© Jenny Holzer, member Artists Rights Society (ARS), NY. Courtesy Cheim & Read, New York

出典:Business Insider

G Suiteにはハングアウト、カレンダー、Gmail、Google+、クラウドサーチ、そしてドライブが含まれている。グーグルによると、何百万もの企業で利用されている。

G Suiteのイメージ図

Google

出典:Google

2006年に買収されたYouTubeは、現在もグーグルの子会社だ。YouTubeを統括するのは、スーザン・ウォシッキー(Susan Wojcicki)氏。

スーザン・ウォシッキー氏の写真

FilmMagic for YouTube


グーグルの主要サービスであるウェブ検索。現在、1分間に230万回以上検索されている。1カ月では1000億回を超える。

グーグル検索のイメージ写真

PHILIPPE HUGUEN/AFP/Getty Images

出典:Business Insider

グーグルマップも主要サービスの1つ。現在、1カ月に10億人以上が利用している。

グーグルマップのイメージ

Google Maps

出典:Business Insider

Google AdSenseを使ってウェブページに広告を載せるとパブリッシャーはコンテンツから収入を得ることができる。広告はグーグルの売り上げの大部分を占める。

Google AdSenseのイメージ

Google


最後はグーグルのモバイルOSであるAndroid。さまざまなお菓子の名前をつけたバージョンを頻繁にリリースしている。これまで「キットカット(KitKat)」、「ロリポップ(Lollipop)」、そして「マシュマロ(Marshmallow)」と続き、現行バージョンの7.0は「ヌガー(Nougat)」と名付けられた。Androidデバイス向けのアプリ、動画、音楽、本はGoogle Play Storeからダウンロードできる。

Android OSのイメージ

Flickr/etnyk

出典:Business Insider

source:Flickr/MTSOfan、Google、Appleton/Mayoral Photography Office、Google DeepMind、Waymo、Flickr/Techcrunch、Titan Aerospace、© Jenny Holzer, member Artists Rights Society (ARS), NY. Courtesy Cheim & Read, New York、FilmMagic for YouTube、Google Maps、Flickr/etnyk

[原文:The company formerly known as Google is far bigger than most people realize

(翻訳:Conyac

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