コインチェックに金融庁が立入検査 —— 過去最大の不正流出から1週間

2018年2月2日午前8時、小雪の舞う東京・渋谷。金融庁の検査官10人が、コインチェック本社に立ち入り検査に入った。仮想通貨の取引所が同庁の立ち入り検査を受けるのは初めてのことだ。

仮想通貨取引所のコインチェックから約580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)が流出してから、1週間が過ぎた。金融庁は、システムリスク対策や顧客への対応が不十分だったとして、1月29日に同社に業務改善を命じたばかりだ。

コインチェックのオフィスが入るビル

2018年2月2日、コインチェックのオフィスが入るビルの前に集まる報道陣。

撮影:木許はるみ

立ち入り検査は、仮想通貨の取引所を登録する制度などを定めた資金決済法に基づく措置だ。業務改善命令から4日後の立ち入りに踏み切ったのはなぜか。金融庁は、顧客への補償やシステムリスク対策について、「業務改善の履行状況をリアルタイムで把握する必要がある」と説明する。

1月26日に不正流出が判明して以降、金融庁は、コインチェックの和田晃一良(わだ・こういちろう)社長ら幹部から事情を聞き、顧客対応の問題や、常態化していた不適切な管理体制を指摘。コインチェックは2月13日までに、業務をどのように改善するか、金融庁に報告を求められている。

2014年にビットコイン取引所を運営していた「マウントゴックス」から約470億円相当の通貨が消失して以来、最大の被害額となった。コインチェックは、ネムを保有していた約26万人を対象に日本円で返金するとしているが、流出したネムは2日現在、拡散が続いている。

金融庁

金融庁は、コインチェックに対して業務をどのように改善するかの報告を2月13日までに提出するよう求めている。

REUTERS/Issei Kato

仮想通貨の取引所は、金融庁に登録しなければならないが、コインチェックはこれまで審査中が続き、「みなし仮想通貨交換業者」として運営を続けていた。金融庁は1日には、登録済みの仮想通貨交換業者全16社と、審査中で運営しているみなし業者15社に、システムリスクをどのような態勢で管理しているかについて、報告を求める命令を出した。

コインチェックが顧客に返金するとした、補償の総額は約463億円と巨額だ。同社の財務状況について金融庁は「財務内容については注視している」と述べるにとどまっている。

金融庁は今後、コインチェックが顧客から預かった資産をどのように管理していたか、どのように不正侵入を防ぐ態勢を構築していたかなどについて、実態解明を進める。

(文・小島寛明、写真・木許はるみ)

(編集部より:記事は、金融庁の対応に関する詳細を加え、更新しました)

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